Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

【知っておきたいカンボジア旅行の落とし穴】カンボジア旅行者への注意喚起と対策3つ【地獄の旅行者下痢症から2日でリカバリー】

インドで得た悟りの1つは、「”安かろう悪かろう”を甘く見てはいけない」でした。

中学生の修学旅行気分で訪れたインド(貧乏)旅行そのものが重大なエラーだったのです。

カンボジアは、インドシナ半島で最もインド化の面影が残る国です。

「物価が安い」からといってカンボジア旅行を甘く見ていると、滞在中または日本帰国後に重大な損失を負うことになるでしょう。

今回の記事では、以下3つについて説明します。

カンボジア旅行に潜む落とし穴の警告
落とし穴を回避するための防護方法
落とし穴に落ちた時にとるべき行動


カンボジア旅行に潜む落とし穴とは?

在カンボジア日本大使館は、カンボジアの保健医療事情に関する文書を次のような切り口で始めています。

カンボジアの衛生状態は極めて悪く日本とは比較になりません。

カンボジア事業に携わる当事者の苦しみと諦めが表れた一文ではないでしょうか?


そう、カンボジア旅行に潜む「落とし穴」とは、現地の「衛生問題」のことを指します。

在カンボジア日本大使館が指摘する通り、カンボアジアの衛生レベルは日本人の想像に及ばないレベル。

同じ東南アジアのベトナムもラオスも、決して綺麗な国ではありません。

しかし、健康を害するほどの不衛生さではありませんでした。

カンボアジアに匹敵する衛生レベルの国があるとすれば印度。

古代東南アジアが直面した「インド化」の影響は、文化だけでなく衛生面にも及ぶのかと驚きたくなるレベル。

そんなカンボジアの衛生問題は、大きく3つに分類できます。

衛生管理の無さに起因する食品の腐敗
浄水機能の弱さに起因する水道水の汚染
感染症を媒介する蚊の流行


そして、次のような要因に支えられています。

熱帯モンスーンの気候(高温多湿さが雑菌の繁殖を促す)
インフラ整備の遅れ(特に水道関連)
衛生害虫の繁殖(マラリアやデング熱を媒介する蚊を根絶できていない)


カンボジアに流れる、熱帯モンスーンの気候は変えようがありません。

それと同じように、インフラの遅れや既に繁殖してしまった害虫も、我々外国人の力ですぐさま変えることはできません。

しかし、対策することは可能です。

実際にカンボジアを訪れた私が、これからカンボジアを訪れる方に向けて、衛生対策について説明していきます。


カンボジアでの衛生対策は、具体的に何をすればいいの?

カンボジアで想定される最悪のケースは、疫病に罹ってしまうことです。

疫病の経路は、大きく食品、水、蚊です。

この3ルートを塞ぐ方法を説明致します。

1.食品の腐敗

衛生管理の劣悪な提供主を排除することで回避できます。

腐敗した食べ物を口にすれば、健康を害するのは当然。

特に熱帯モンスーンに属し、食品が腐りやすいカンボジアでは、腐敗対策は絶対。

・・なのですが、現地人には耐性があるのか、健康被害を防止しようという姿勢に欠如しているように見えます。

熱帯の炎天下の中、長時間食品を放置し、再加熱しないまま、顧客に提供するのが当たり前の慣習となっています。

こうした衛生観念のない提供主は大抵ローカルの安い店です。

この類を排除すれば、悪質な健康被害に遭遇する危険性も排除できるでしょう。

こうした店舗の代わりに、外国人相手の商売をしているお店に入ってください。

外国基準の衛生が確保された店は、中〜高級レストランですから多少値が張ります。

しかし、衛生・品質の面で相応の対価を期待できるので問題ありません。

言ってしまえば、劣悪な食堂で健康を害してしまう方がよほどハイコストなのです。

安いからといって、コレラや赤痢にすらなり得る衛生環境に突撃するのは「安かろう悪かろう」の典型です。


どうしても低コストにこだわるという方は、注文後に加熱してくれる店を利用してください。

高温で加熱すれば、大方の菌は死滅します。

注文後に調理を始める屋台を選べば、健康被害の可能性も縮小できるのです。


また、自炊を試みる方は、加熱を徹底してください。

日本では当たり前の刺身行為、(生)卵ご飯行為は厳禁です。

市場で売られている魚は川魚が多いため、寄生虫感染の危険があります。

卵の衛生管理もほとんどなされていないため、サルモネラ菌をはじめとする健康被害が懸念されます。

加熱を徹底しましょう。


2. インフラの遅れに起因する水道水の汚染

30年前、カンボアジアは内戦の最中にありました。

内戦国には、インフラの整備を行う余裕などありません。
それどころか、内戦の銃撃戦は、既に整備されたインフラの崩壊をもたらし、国力を大きく疲弊させます。
こうした悲惨な内戦の歴史を辿ってきたカンボジアのインフラは、非常に劣悪な状態です。

カンボジアの水道に浄水機能を期待するべきではありません。
水道水で洗った物は、逆に汚れて返ってきます。

水道水を口にすることはご法度。

深刻な感染症を引き起こす恐れがあります。


水道水が原因で起こる感染症

腸チフス
食べ物や水を介してチフス菌が感染する。
発熱と腹痛の症状が多く、高熱が3日以上続いた場合は、医療機関の受診が必要。

アメーバ菌(アメーバ原虫)、細菌性赤痢(赤痢菌)
主に水を介して感染。
発熱、腹痛、下痢、血便を主な症状とする。


カンボジアの水道水を飲用に用いることは絶対に控え、市販のミネラルウォーターを用いてください。

現地人も利用することから、2L 100円ほどの低価格で入手可能できます。

日常の洗浄行為(歯磨き、コンタクトレンズ)にも、市販のミネラルウォーターを用いるよう徹底してください。

歯磨きだけで、旅行者下痢症に罹ってしまうことも珍しくありません。

コンタクトレンズの洗浄も、水道水で洗えば、混入したゴミによりレンズに傷がつく恐れがあります。


アメーバ菌感染の経路
にもなるので、絶対に厳禁です。

ミネラルウォーターの徹底は重要な対応策なので、ぜひ一緒に旅行する人にも呼びかけてください。

とはいえ、旅行者の努力だけで避けきれないのが、水道水の困ったところです。

現地人が当然のように使ってくるからです。

さすがにコップに水道水を入れて渡してくるようなケースは珍しいですが、飲料に入っている氷が、ミネラルウォーターで作られている保障はありません。

ローカル店舗の中には、コスト削減のために水道水を使いたがる業者も存在しているようです。

そのような悪質な業者でなくとも、生野菜や食器を洗う水は、どこもほぼ水道水です。

野菜を洗うためだけに、わざわざハイコストなミネラルウォーターを使う業者はいないからです。

歯磨きが命取りになりかねないのと同様、こうした微量の水道水さえも、致命傷になりかねません。


最大の対策は、やはり品質に信頼の置けそうな提供者だけを選ぶことです。

氷の原料に水道水を使ったり、食器に水滴を残すような提供主は、たいてい安いローカルの店です。

健康被害を避けるためにも、見るからに小汚いローカルの店は避けてください。

水道水付着の危険性がある生野菜を避ける方法もありますが、野菜不足やノイローゼなど別の問題を起こしかねません。

多少コストが値が張っても、中〜高級レストランを使うことが、逆に旅行を低コストなものにしてくれるでしょう。

その辺りの立ち回り方は、印度と同じです。

実際に発見したお手頃レストランの紹介

コスト面から、どうしても高級レストランは使いたくないという人もいると思います。

そうした人は、先人のレビューを読んで、信頼できそうな店を厳選してください。

先人が無事だったなら、あなたも無事で済む可能性は高くなります。

↓ 私も安全性とクオリティ的に好感が持てたお店を紹介しておきます。

【日本カンボジア友好橋付近】ワットプノンから2kmの安宿街に位置するお手頃レストランWhite Coffee【アンコールワット・クオリティーの飯120円】 - Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~


それでも、発症率20%〜40%と言われる旅行者下痢症に罹患してしまうかもしれません。

そんな時は、必ず現地の薬を使ってください。

これは旅行中、2度罹患した経験から申します。

多少の耐性では防ぎきれない感染症へは、現地で対策が打たれているものです。

市内のいたるところに薬局が設置されているので、これを利用してください。

逆に御法度なのは、自然治療に任せることです。

これは時間と金の無駄になる可能性大なので、やめてください。

よく「悪いものが出ないから」といって、腸の活動を止めるタイプの薬を批判する文言を目にします。

私も1度目の罹患時にはこれを信じ、自然治療に任せましたが、10日経過しても回復しませんでした。

しかし、とあるホテルのスタッフが買ってきてくれた薬を飲んだところ、2日後には回復に漕ぎ着けました。

自然治癒力に任せた10日の間、体力だけでなく、時間と金を消耗し続けたことは言うまでもありません。

こうした経験があったので、2度目に罹患した時は、即・薬局で薬を購入しました。

腸の活動を止めてしまうタイプの下痢止めでしたが、使用後すぐに下痢が止まり、翌日●が出た時には、健康状態の形に戻っていました。

2日後には薬を服用せずとも、下痢症状そのものが解消しました。

自然回復は諦め、薬を使用してください。

薬局では、お腹を押さえながら「ダイアリア(下痢)」とか細くいえば、下痢止めの薬を処方してくれます。

ローカル価格の1ドル程度です。


3. 感染症をもたらす蚊の流行

カンボジア旅行では、蚊対策が必要です。

なぜなら、マラリアやデング熱を媒介する蚊が流行しているためです。


蚊が媒介する感染症

マラリア
2〜3日目には診断可能。抗マラリア薬を飲むと効果的。アンコールワットの奥地、タイ、ベトナムの国境地帯では頻発しており、特に注意が必要。
マラリアを媒介する蚊は夜間に活動するので、夜間の国境移動や国境付近のバス休憩所の利用は避けた方が良い。

デング熱
突然の高熱、関節痛、頭痛などの症状が約5日ほど続いた後、発疹や出血班が出る。
治療法がないので、対処療法以外に根本的な解決策はない。
デング出血熱にまで発展した場合、血小板が急激に減少するため輸血が必要になり、遅れると死亡することもある。


マラリア、デング熱ともにワクチンがないため、蚊に刺されない以外の予防法はありません。

マラリア、デング熱は、観光客の多いプノンペンやシェムリアップの中心部では撲滅済みですが、地方では未だ流行中の感染症です。

経済発展が進み、カンボジア国内の移動手段が豊富になりつつある中、安心はできません。

マラリアやデング熱を持った蚊が、地方から持ち込まれている可能性もあり、対策が不可欠です。

まず、蚊とのエンカウント率を下げることが大事です。

侵入スペースを塞ぐために、ホテルの窓は極力開けないでください。

とはいえ、空気の入れ替えが必要ですし、戸が密閉できない造りになっていることも珍しくありません。

そもそも、部屋の中に入った時点で、すでに蚊のコロニーができているのが普通なので、窓の操作だけで制御することはできません。

したがって、蚊取り線香蚊帳で対策しましょう。

蚊取り線香は、現地販売されています。

移動中に荷物の重さで壊れる恐れもあるので、基本は現地購入で良いと思います。

それでもカンボジアの品質に不安があるという方はこちらかどうぞ。

蚊帳は、カンボジアに限らず、蚊の多い東南アジア旅行に必須のアイテムです。

現地販売されている様子はなかったので、日本で用意しておきましょう。



カンボジアは衛生対策が欠かせない国

マラリアやデング熱、コレラ、赤痢などの蔓延が示す通り、カンボジアを旅行をするのであれば、衛生対策が欠かせません。

本項で提案した施策は以下の通りです。

1. 食事は中〜高級店だけ選ぶ
2. ミネラルウォーターの徹底。中級以下のレストランでは、生野菜を避け食器を拭く
3. 蚊取り線香と蚊帳で蚊を予防する


それでも症状が出ることがあるでしょう。

症状が軽度の場合は、すぐに薬局へ向かうようにしましょう。
自然治癒を試みるのは、金・体力・時間を、延々と消耗するのがオチです。

現地の病に対して、最適な対処ノウハウを持っているのは現地人です。
現地価格の1ドル程度で有効な薬が得られるので、すぐに薬局に向かってください。

もし症状が重い、薬が効かないといった場合、それは医師の診断を要する疾患かもしれません。

在カンボジア日本大使館によると、医療レベルの低いカンボジアで信頼に足る医療機関は少数なようです。

以下に転載するので、参考にしてください。

インターナショナル SOS クリニック
・所在地:No.161、Street51(米国大使館北隣)
・TEL:023‐216911(受付)、012‐838283(邦人担当)
・診療科: 内科、外科、小児科、歯科
・備考 : 日本語スタッフ常駐。

Somary Medical Services
・所在地:プノンペンホテル
・TEL:855‐23‐991166
・診療科:内科、外科、小児科
・備考 : 日本語スタッフ常駐。

NAGA Clinic(ナーガクリニック)
・所在地:No.11、Street 254(オーストラリア大使館の通り)
・TEL:011‐811175
・診療科:内科、外科、小児科、産婦人科、耳鼻科、眼科、形成外科
・備考 : 日本語スタッフはおらず、英語またフランス語での診療となる。


さいごに

カンボジアは健康リスクが高い国です。
問題なく旅程を遂げるには、3種類のリスク(食べ物、水、蚊)を上手に回避しなければなりません。
それでも、初回の旅行では体調を崩してしまう可能性が高いと思います。

特に旅程が長期化したり、マラリアなどが蔓延する地方へ向かうことが予め分かっている場合は、日本で旅行保険に加入しておいたほうがいいと思います。