Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

【アジア最強の都市?】タイ-バンコク旅の総評【神の国はここにあり】


入国まで

観光目的で滞在する場合、30日までのノービザ滞在が可能です。

入国経路は2つ、スワンナプーム国際空港とドンムアン空港です。

2006年に設置されたばかりのスワンナプーム国際空港の空港職員は、やや旅客の国籍によって対応を変える傾向が。
しかし、難なく入国審査を通過。(日本人は優遇気味)

ドイツ人建築科の設計した空港は、広く、いたるところにコンセントがあるなど機能性も充実。
地下1階には、バンコク・スカイトレインの駅が設置されており、市内各所へのアクセスに使うことができます。

旅行客が集結するカオサン・ロードへは、最寄りのファランポーンまで45バーツ(158円)しない程度。
AM6:00~PM12;00の時間帯で利用できます。

年中暑いタイですが、空港内は空調がよく効いており、地下一階にはセブンイレブンをはじめとする飲食店が設置されています。

24時間営業の為替交換所、1日2時間制限の無料Wifiも2つ提供されています(計4時間)。

到着後、朝まで時間を潰すことになっても、困ることはないでしょう。


バンコクの物価

大都市の佇まいを備えるバンコク。
近年はインフレ傾向にあるものの、物価は中流以下の人たちの賃金水準にフォーカスされており、まだまだ日本から見れば安いです。
だいたい1/2程度ではないでしょうか。

(1バーツ = 3.5円 : 2019年4月26日)

商品名 価格(バーツ:B) 日本円換算
安宿(シングル) 250~500(B/泊) 875円~1,750(円)
SIM(TrueMove : 15日10G) 49(B) 172(円)
缶ジュース(250ml) 15(B) 53(円)
緑茶(600ml) 25(B) 88(円)
弁当(7イレブン) 37(B) 130(円)
ハンバーガー 27(B) 95(円)
カップ麺(小) 13(B) 46(円)
カップ麺(大) 55(B) 193(円)
焼きイカ(カオサン) 60(B) 210(円)
ホテルのトイレ利用(カオサン) 5(B) 18(円)
トムヤンクン(中級レストラン、米なし) 180(B) 630(円)
カルボナーラ(中級レストラン) 180(B) 630(円)
ローカル弁当 25~40(B) 88~140(円)
焼き鳥(1本) 10(B) 35(円)

どれでも1本10バーツ(35円)


超肉厚のヘビー級。これで50バーツ(175円)

安ホテルのクオリティ

タイ王国の成長に伴い、宿泊施設の価格帯も激しいインフレに見舞われています。
安宿密集地帯であるカオサン・ストリート周辺には、まだまだ安いホテルが集まっています。
これら最安価のホテルは、ベトナム・カンボジアの同価格帯と比べると、コスパには劣る印象。

しかし、料金を一定水準以上に上げると、部屋の質が格段に高まるのが、タイの安宿の特徴。

・最安価250B(880円) → 狭い部屋にベット、ファン。トイレ・シャワー共用。
・450B(1,584円) → エアコン・バスルーム利用が可能。(防音弱)
・550B(1,936円) → 設備面の向上、防音も改善。
・750B(2,640円) → 部屋のデザイン、セキュリティ面まで向上

というイメージです。

750バーツ(2,640円)の宿は、正直いって、日本のラ×ホテルを凌ぐ快適性。

コスパ感覚では自分が歴代に宿泊したホテルの中でベストでした。

詳しくは↓の記事に記しました
【価格に基づくカースト制度】バンコクで宿泊したホテルの評価9つ - Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~


街の風景

都市的機能性、宗教的独自性の両立するバンコクは、アジア最高の都市かもしれません。

高層ビルが立ち並ぶ大都市の光景は、日本の大都市も同じです。

しかし、バンコクが東京と違うのは、都市が整然と設計されていることです。

東京のように都市の構成要素が独自に動いて全体が構成されるのではなく(カオス)、統一的な計画の下に各要素が割り当てられるという、都市設計の入念性を感じました。

歴史が浅いゆえの新奇性、既存の都市の問題点を克服した高い機能性。

中心都市単位としての比較では、日本の大都市に匹敵するか、すでに凌駕したものとみて間違い無いでしょう。

さらに、壮大な宗教的美意識が都市に融合していることも特徴の1つです。

街の至る所に掲示されているタイ国王ラーマ10世。

タイの王朝は、国内の統一にインドシナ随一の努力を払ってきました。
契機は様々です。

✔︎ 先住クメール族との同化のため
✔︎ 傘下の都市の支持を維持するため
✔︎ 領土拡大に伴い多民族化していく国土をまとめるため


インド化した東南アジアの国にとって、王は神(シヴァ、ヴィシュヌ)の化身であり、現世神と同等の存在です。
そのため、王は王として認められるために神格化を必要とし、文化・宗教の下支えを求めます。
インドシナの覇者として民族的多様性を免れなかった背景から、タイの宗教は大きく発展しました。
単一民族で神(統一性)を必要としなかった日本人からすれば、その壮大さに圧倒されるほど。

都市のあちこちに神仏や王を祀る壮麗・壮大な宗教建築・記念碑があり、それは中心地やタイ証券取引所でさえ例外ではありません。
(親仏の画像)


また、こうした壮麗な都市の足場は、コンクリートで平坦に整えられており、その上を多くの車が走ります。
特に日本車の多さは、非常に顕著です。
これは、トヨタ自動車が1962年からタイに製造拠点を設置し、現地製造した安い日本車を提供しているためです。
日本と同じように膨大な車が街を通過しますが、交通渋滞に陥ることも少なそうでした。
幅の広い道路が遠く長く一本道に引かれ、かつ架橋された道路で多面に分岐されています。
(道路の画像)


バンコクの人

人々は、丁寧、かつ礼儀を重んじ、礼節をわきまえた行動をとる傾向にあります。
外国人に対してもほとんどの人は丁寧です。
しかし、格好が汚い、態度が横柄、タイ人の権利を侵害するといった人には、排斥を行うようなので注意が必要です。

また白人至上主義的な行動をとる人が一定数います。
これは、「同じ空間の中で自分が一番下にならないために」行なっているタイ人が多い印象を受けました。
これは西洋人の支配を、巧妙にかわしてきたタイ人ならではの処世術なのではないでしょうか?

一方、インド系、中東系の人種に対する差別も見られますが、空港などのパブリックな場所以外では、ほとんどお目にかかれません。
この系統の人は、タイ人にとって自身のルーツに根ざす存在です。
時には同族嫌悪の対象にもなるのでしょう。
しかし基本的には、外交的配慮、歴史的な自我の感覚から行われ、大げさなものはパブリックな場面に制限されがちなのではないか?という(偏見的?な)印象を受けました。

そして、タイ人が最も大事にする価値観の1つが「独立」です。

いくら西洋人でも、タイ人の権利を侵害した際は、情け容赦ない迫害(ムエタイすら駆使した)の対象となります。
ローカルタイ人同士であっても、喧嘩は1対多が基本なので、タイでの横柄な態度、タイ人との摩擦は厳禁です。

いっぽう親日の度合いは、トヨタ自動車をはじめとする、日系企業の進出による現地への裨益もあり、「非常に高い」レベルです。
日本人(と認識されない場合は例外)が差別を浴びせかけられるようなことは、ほぼ起こらないと思います。

自分の目に入る範囲では、接客態度も良好で、礼儀・丁寧さの面で非常に優れていました。
こうした性格は、よくマッサージの接客態度に表れますが、手抜かりなくかつ徹底的。
あまりもの気持ち良さにマッサージ中(後)に熟睡してしまうこと間違い無しのハイクオリティでした。(缶コーヒー3杯飲んでも寝てしまうレベル。ただし路上の個人マッサージ師はテキトー)


とはいえ、ボッタクリを試みてくる店員が一定数いたことも事実です。
コンビニの店員でさえ、レジ会計だからバレないと思ったのか、不当に価格を上乗せしてくることがあります。

いくら親日の大都市とはいえ、ノーガードは禁物。

薬物依存者の存在も知られているため、用心に越したことはありません。


インドとの類似点・相違点

タイランド湾に面するタイの地は、最もインド化の波及した土地です。

おまけにクメール王朝の影響力が波及した後、ヒンドゥー様式の寺院、都市などが築かれました。
この先住モン・クメール系の民族を追い出すことで、タイの王朝の歴史は始まっています。

そのような王朝成立の背景から、タイ人にとってのインド的なるものは「服従させるもの、下に置くべきもの」なのかもしれません。

タイにおけるインドとは、差別することはあっても、尊敬、模倣する対象とは見なされていないように伺えました。

タイの寺院も西洋建築的な幾何学的モデルに傾く傾向にあり、巻き×んこ型の黄金の仏塔もタイのオリジナルです。



食習慣も、どちらかというと、欧米式の肉食、中国式の麺類に傾斜しており、衣服も欧米化の傾向にあります。

しかしながら、タイの伝統文化の根底にインド・クメール時代の様式が息づいていることも間違いありません。

これは、スープ式カレーのトムヤンクン(辛いというか、しょっぱい)、王の神格化、寺院のベースに残るヒンドゥー様式などに見ることができます。


改善してほしい点、注意点

暑すぎる気候、東南アジアおなじみの熱々のスープをビニールに入れて渡してくる慣習。

それ以外に文句を言いたくなるような点はありませんでした。

これは、自分に降りかかった白人至上主義を含めてです。

日本の感覚では、人種や国籍によって対応を変えること(差別)はあり得ないことです。

なぜなら、日本は欧米列強に虐げられていた時期が短く、ほぼ対等に戦うか、一面において凌いできたからです。

欧米の国にへりくだる必要もなく、欧米植民地からのアジア解放を大義に戦った日本では、差別は自らのアイデンティティに反する冒涜行為です。

一方タイ王国は、19世紀に東西から押し寄せた英仏の勢力に対し、片方(イギリス)に味方することでもう片方(フランス)の浸透を防ぐことで状況の打開を図りました。
また、西洋文明に基づく強力な軍事品なしでは、王国の独立を守り抜くことは不可能でした。

「圧倒的な産業文明を備える欧米諸国と敗北を重ねたアジア(日本例外)」という歴史的教訓を踏まえ、外交相手の優先順位をつけることは、彼らの処世術なのだと思います。
(伝統的な友好国の中国も、アヘン戦争の敗北で衰退を見抜かれた後、20世紀にはタイ国王により「アジアのユダヤ人」として公式に批判された)

彼らの第一原則は、国家と民族の独立です。

1569年と1767年のアユタヤ陥落(ともにビルマの攻撃)では、都市は壊滅し、大勢のシャム人(タイ人)が捕虜(奴隷)としてビルマに連行されました。

そうした屈辱を2度と喫しないと誓うことで、タイ人はムエタイなどの洗練された防護術を生み出し、民族意識を強化してきたのです。

「白人至上主義」もそれと同じ処世術の一種でしょうから、容易にタイ人から取り上げることはできません。

これを防ぐ方法があるとすれば、「白色人種に負けない」実力と格好を身につけることでしょう。

「郷に入れば郷に従え」と言われるように、タイのバックグラウンドを理解しつつ、適切なポジショニングをすることが大事だと考えます。

もちろん、実害が発生しそうな時は、適切に抵抗する必要があります。

タイ人の差別には、「実害が発生するもの」と「実害が発生しないもの」があります。

例えば、とあるゲートを通過するのに、そばにいた女性スタッフが、白人客や日本人客にはゲートを素通りさせる一方、中東系の客へは、パスポート提示を求めて厳重なチェックを求めていました。

また飛行機の座席に向かう列の中、添乗員の女性が私の前にいた白人客へは、肩を掴んで丁寧に誘導するのに、私の時は素通りするという差別にも遭遇したこともあります。

これらは、屈辱的ではあるものの、実害が発生しない差別です。

一方、カオサンロードのコンビニのレジカウンターにて、背後にコワモテの白人、その前に私という状況の時、コンビニのレジカウンターは露骨に価格を操作して私に提示しました。(100バーツほど上乗せ)

そうすることで、その空間で、私より上に自分を位置付けたかったのでしょう。

しかし、私はそうした状況にただ興味がなく、急いでいたので、さっさと商品を回収し、隣のレジに並び直しました。

事後、多少イラっとしましたが、実害を避けることには成功しました。

これは、適切に対応しないと実害が発生していた例でしょう。

「タイには、白人至上主義の伝統がある」という事実を理解しつつ、備えることが大事です。

あらかじめ身なりを整える、実害が生じそうな時は対処するといった心構えを用意しておきましょう。


トイレに困った時の対処法

物価の安いバンコクでは、「ついつい食べ過ぎてしまう」ものです。

そのため、旅行中に前日の食事の影響が現れるのはよくあること。

そうした時、コンビニにトイレが設置されていないバンコクでは、独自にトイレを探さないとゲームオーバーとなります。

私が1週間ほどの滞在の間に見つけたトイレを利用できる場所を報告しておきます。

美術館(The BMA Local Museum Bangna District, National Discovery Museum Institute)
カオサンロードのホテル(5バーツ程度でトイレを提供している7holder Hotelなど。ここは紙や石鹸がないので非推奨)

The BMA Local Museum Bangna Districtのトイレ。ローカルの美術館で人も少ないのでオススメ。ちゃんと美術品の観賞もしましょう。


バンコクに訪れる価値はあるか?

バンコクはアジア屈指の都市です。
年中暖かいリゾート地の気候、都市全体の統一感。
平坦で美しいインフラ、都市に立ち並ぶ高層ビル。

そして、タイの独立と伝統を象徴する壮大な宗教モニュメント。

まるで都市全体が壮大な芸術品であるかのように美しく、その壮観さを観察するだけでも訪れる価値はあります。

さらに、日系コンビニ店などで必要なものは一通り手に入り、物価も雑感では日本の1/2ほど。

日本での生活費1ヶ月分をそのまま持っていけば、日本よりも充実した日々を過ごせると見て間違い無いと思います。

おまけに、親日度もアジア屈指です。

日本人というだけで現地の人々は笑顔を向け、懇切丁寧に接してくれるでしょう。

トヨタ増し増しタクシー

これに関しては、以下のような背景が挙げられます。

✔︎ 歴史的友好関係(徳川幕府成立期の活発な貿易。仏からの領土回復を支援。)
✔︎ 工場設置などによる現地経済への裨益
✔︎ 進出邦人の多さ(在留邦人72,754人 : 2017)
✔︎ 文化輸出の進展

徳川幕府成立後〜鎖国体制の完成まで、日泰貿易の割合は、泰と日本以外の国との貿易額を凌いでいたそうです。

スクムビットという日本人街では、多くの日本人が居住・滞在しています。海外生活でありがちな孤独感に苛まれることも少ないでしょう。

もしかすると今後、芸術品にも匹敵するバンコクの都市を、今の低価格で楽しめる日々は、永遠に過ぎ去るかもしれません。

インドの発展が実現した時、中国とインドの境目にあるタイへ、膨大な投資需要が生じるからです。

そうなれば、タイに激しいインフレが生じ、物価は一気に高騰に向かうでしょう。

タイのインフレが本格化していない今のうちに、日本人にとってこの上ないバンコクへ、1度は訪れておくことを強くお勧めします。