Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

「北ベトナムは中国系の匂いがするので関わりたくない」⇦これ

「北ベトナムは中国系の匂いがするので関わりたくない」

という評価があるが、この考えは危険だと思った。

確かに北ベトナムは、中国の領土だった時代が長い。

その歴史は、秦漢の時代まで遡り、独立を勝ち取ったのは、唐の衰退後。

実に1,000年間の長きにわたって、ベトナムは中国の一部としての歴史を歩んだ。

だから同化が進んでいることに疑いはないし、実際、バイクの運転作法やら文化背景に中国的な空気を感じ取ることは少なくない。

しかしながらである。

時代は21世紀、文明の進展度合いが20世紀とは全く違う。

交通網は発達し、人の移動に制限はなくなった。

田舎生まれの人でも、意思に従って都会に出て働くことができる。

その動きは、ベトナムにおいても起きていることで、北のハノイで見たベトナム人が全員北方出身者だとは限らない時代なのである。

だから北ベトナム人=危険だという考えに取り憑かれていると、思いもしない判断違いをしてしまいかねない。

実際、ネットのハノイ評は、愛嬌がない、ニヤニヤしている、テキトーといったネガティブなものが目立つが、自分が見る限り全部実態と噛み合わない。

社会主義の空気も助けて、人々は仕事熱心だし、店員は問題解決するまで真面目に寄り添ってくれるし、フレンドリーな笑顔をくれるし、嫌な笑みなど皆無である。

むしろ、チェ・ゲバラのステッカーに見られるような、毅然とした面持ちの人が多い。

もちろん、観光者として接するのと同僚として接するのとでは、受ける印象は異なるだろう。

でも、ネガティブな評価の中には、「明らかに短期旅行で訪れたのだろうな」と思われる人が書いたものが少なくない。

そういう人は、ベトナム人の外人嫌いの背景にある歴史を理解しようと努めたのだろうか?

彼らの歴史は異民族との闘いの歴史だったので、そう簡単に心を開いてくれないとしても無理はない。

話が逸れたが、ベトナムの首都がある北だからこそ、南北入り混じって色々なベトナム人がいるのだということを覚えておいたほうがいいと思う。