オッサンズ・オブリージュ

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

欧州連合(EU)の貿易構造1

1 ドイツ( GDP : 3兆4792億ドル[世界第4位])
主要産業 自動車、機械、化学・製薬、電子、食品、建設、光学、医療技術、環境技術、精密機械など
輸出 自動車および同部品、電気機器、医薬品
輸入 原油・石油製品、自動車および同部品、電気機器

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.64%、第二次産業が30.45%、第三次産業が68.91%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

自動車・自動車・自動車部品が約18%、産業機械が約17%、電子機器が約10%、医薬品が約6%

そのあとに、精密機械、プラスチック、飛行機、石油・鉱物性燃料、鉄鋼製材、有機化学品が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

産業機械が約13%、電気機器が約12%、自動車・自動車部品が約10%、石油・鉱物性燃料が約10%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、精密機械、有機化学品、飛行機、鉄鋼が続きます。(比率5%以下)

ドイツの第1次産業は、GDPの0.64%を占めています。

農業セクター

農業がGDPに占める割合は1%以下と小さな割合に過ぎません。

従事人口も労働人口の2.4%程度と小さいながら、EUではフランスとイタリアに次ぐ3番目の農業生産量を誇り、

国内の栄養需要の90%を自給することに成功しています。

農産品が輸出に占める割合は、穀物・小麦粉類が0.47%、穀物が0.26%、肉類が0.61%、乳製品が0.69%と大きくありません。

林業セクター

ドイツの国土に占める森林の割合はおよそ33%だとされます。

木材の国内需要は、国内の森林から伐採された木材で約3分の1ほど満たされており、残りは輸入で供給しています。

林業品が輸出に占める割合は、木材が0.59%、紙パルプが0.10%と概ね小規模ですが、

これは工業セクターから生産される富の大きさに隠れているだけです。

木材の売上高である約79億ドルは、林業の重要性が高いフィンランドの木材輸出額(約27億ドル)をしのぐ数字であり、

中でも輸出に占める割合が1.44%と大きい紙類は、フィンランドの輸出の約14%を占める紙類(約81億ドル)と比べても2倍以上の規模の売上である約191億ドルを記録してます。

これは世界でも屈指の紙類の輸出規模です。

もちろん林業セクターは輸出に負けず劣らず輸入も多いのですが、ドイツの林業は総評して欧州No.1と評価されています。

漁業セクター

ドイツの漁業は乱獲と排他的経済水域の発効により縮小が進んでいます。

GDPへの貢献も小さく、漁業が生み出す付加価値は農業セクターに対して約2%以下、全GDPのほぼ1%に過ぎません。

海産物が輸出に占める割合は0.12%と小さく、輸出額も約16億ドルと輸入額(約42億ドル)の半分以下に留まっています。

約16億ドルの海産物の輸出は、スウェーデンの輸出額(約35億ドル)と比べると半分以下の数字です。

ドイツの第2次産業は、GDPの30.45%を占めています。

このうち22.62%は製造業からの生産です。

工業セクター

世界屈指の工業力を持つ製造業から、ドイツの輸出総額の約半分にあたる富が生み出されています。

最も盛んな分野は、化学、電気、自動車、食品加工の4つだとされ、

2015年度の全セクターの総売上(市場は国内外問わない)約9400億ユーロのうち、

4040億ユーロが自動車から、1786億ユーロが電気から、1900億ユーロが化学から、1690億ユーロが食品加工から生み出されています。(参考 : https://www.gtai.de/GTAI/Content/EN/Invest/_SharedDocs/Downloads/GTAI/Industry-overviews/industry-overview-machinery-equipment-en.pdf?v=12)

最も規模の大きい自動車産業は、世界的に知名度の高い企業としてアウディBMWダイムラーオペルフォルクスワーゲンなど

国際市場にシェアを持つ多国籍企業を抱えています。

自動車関連製品が輸出に占める割合は、全輸出品目中、第1位の18.21%。

glbalEDGEが集計した129カ国の輸出総額でも18.47%と高い割合を占めており

主要国を含めた129カ国の中では、第1位のシェアをもっています。(日本の10.24%で第2位)

自動車産業の次に大きな規模を誇るのが、電気産業と化学産業です。

ドイツは研究開発に力を入れており、

世界屈指の電気産業及び化学産業機械の発展を下支えしています。

電気産業に関しては、

主要31分野(生産設備及び機械製造)のうち18の分野でドイツが世界最大手です。

主要な電機メーカーであるAEG、シーメンス、テレフンケン、オスラムなどはいずれも多国籍市場にシェアを持っており、

売上の77%はグローバル市場から計上しています。

ドイツの貿易における機械製品の動向は、以下の通りです。

・産業機械 - 輸出総額の16.87%(発電プラント、工場設備など)
・電気機器 - 輸出総額の9.90%
・精密機械 - 輸出総額の4.69%
・航空機 - 輸出総額の3.31%
※カッコ内のランキングは、globalEDGEの集計した129カ国の輸出に占めるシェア

などがあり、

主要国を含めた129カ国の輸出では、いずれの製品も世界5位以内のシェアを保有しています。

化学産業は、

主にプラスチック、石油精製、製薬、肥料、化学物質の精錬・製品製造などに分類されます。

ドイツの輸出総額に占める割合は、医薬品の5.70%、プラスチックの4.57%、石油製品の2.25%、有機化学品の2.03%などが挙げられます。

この割合は、総売上において同規模の機械産業と比べると小さいことから、同産業に比べると輸出よりも国内消費が活発であることが伺えます。

輸出の1%以上を占める製品を持たない食品加工業同様に、国内需要の供給に貢献していることが伺えます。

建設セクター

GDPの約3.3%が建設セクターから生み出されています。

市況は概ね好調であり、ドイツが中東から受け入れた難民向けの住宅や収容施設の需要に下支えされています。

また、原子力発電からの脱却と再生可能エネルギー社会への転換を進めるべく、エネルギー関連の公共投資にも進展が確認できます。

例えば、シェアを伸ばしつつある風力発電において、海岸地域の風力を使って作られた電力を内陸部に送る送電網の建設などが行われており、

ドイツの建設業を活気付けています。

鉱業ククター

ドイツは比較的資源に乏しい国であり、産業資源をはじめとする多くの鉱物資源、原油を海外からの輸入に頼っています。

エネルギー部門に関しては、天然ガスの産出があるものの、国内のガス消費量の13%を満たす量に過ぎません。

一方で、建設用の砂利や石炭では世界屈指の産出量を誇っており、ドイツで最も採掘量の多い鉱業資源となっています。

しかしながら、ドイツ最大のエネルギー資源は石油(33.8%)であり、

石油産出のないドイツは、主に北海のオランダやノルウェー、資源国のロシアからの輸入に依存しています。

こうしたエネルギー資源の乏しさは、

エネルギー資源の10.8%を占める原子力発電の導入(廃炉中)や、再生可能エネルギー技術への熱心な研究開発の原動力にもなっています。

また、世界第1位の長石、世界第2位のセレン、世界第3位のカオリンなども主要な鉱物資源として採掘が行われています。

金、銀、銅などの金属類はほとんど産出されておらず、全体として半金属類や岩石類の資源に偏る傾向が見受けられます。

また世界第5位の産出量を誇るカリウムも化学産業を支える資源として重視されています。


ドイツの第3次産業は、GDPの68.91%を占めています。

GDPの約30%がITサービスや研究開発、創造産業などを含む知的サービスの貢献に支えられています。

近年は特に通信技術の発展を背景としたITサービス、財務サービス、技術サービス、環境サービス、ビジネスプロセス・アウトソーシングなどのサービスの輸出が伸びを見せており、

同部門は世界第2位の規模に成長しています。

しかしながら、まだまだ歴史の浅い産業ゆえにサービスの輸出に消極的なサプライヤーが多いことが指摘されています。

背景にあるのは、言語や各国の法的規制といった障壁です。

しかしながら、こうした障壁の存在が、同サービスに成長の余地を残しているとも言えます。

また、ドイツは観光業も盛んです。

アルプス山脈ライン川などの観光名所には毎年多くの観光客が訪れており、

2016年度は世界第8位の3557万人の観光客を受け入れました。

しかしながら、外国人観光客からの観光収入よりもドイツ人が海外で消費するお金の方が大きいとされており、

他ヨーロッパ諸国に比べて観光業の重要性は低いといわれています。


その他の特徴

ドイツは、世界で最も再生可能エネルギーに適応した経済だと評価されています。

再生可能エネルギーの導入は、EU全体で1997年以来進められてきました。

そのEUの中でもドイツは最も導入を積極的に進めたグループです。

再生エネルギーが電力供給に占める割合は、2000年には6%に過ぎませんでしたが、2015年には32.6%まで上昇しています。

また、原子力発電に関してはもともと否定的で、2001年に2040年までの全原子力発電所廃炉を定める法律が通過しています。

しかし、2011年の日本の原子力事故をきっかけに、廃炉の期限が2022年に短縮されています。

再生可能エネルギーの拡大のため、

政府は20年間、再生可能エネルギーの生産者に対して、生産した電力の固定買取を保証する助成などにより

民間の生産を後押ししています。


こうした試みの結果、現状は電力価格の高騰など消費者にとって好ましくない結果も招いていますが、

再生可能エネルギーの拡大に成果を出している事実を尊重し、

長期的な社会投資として投資を継続される見込みです。


しかし、ネガティブなことばかりではありません。

アンゲラ・メルケル首相の言葉通り、再生可能エネルギー事業は、ドイツ経済の新たな成長の原動力となりつつあります。

実際に再生可能エネルギー関連は、経済分野にも好ましい影響を及ぼしています。

再生可能エネルギー関連のプラントは、ドイツの輸出総額の18.21%を占める主力品目として盛んに国外に輸出されています。

また、建設分野においても、プラントの建造をはじめ、発電した電力を都市に送る送電網の建設など、

新しい公共事業として雇用を生み出し、明確に経済を刺激しています。

また、2014年には、再生エネルギー関連の1600を超える特許が申請されており、関連の研究開発も盛んに行われるなど、

技術開発分野にも好ましい影響を及ぼしています。

このように、再生可能エネルギーは、環境問題の深刻化から進める「やむおえない妥協」ではなく

経済を刺激する新たな「イノベーションの対象」との評価が下されています。

この新しい成長分野に対して、ドイツは世界に先駆けて主導する構えを見せており、

電気価格高騰というリスクをとりつつも、場合によってはイノベーションと特許で市場独占すらしてしまいかねません。

クリーンエネルギーと並行して、ドイツはガソリン車の撤廃と電気自動車の導入も率先して進めています。

もしかすると、クリーンエネルギーと電気自動車による「新たな産業革命」が世界を席巻する日はそう遠くないのかもしれません。

再生可能エネルギーを巡るドイツの動向は注目に価するものであり、今後の動向から目が離せません。




2 イギリス[旧加盟国] ( GDP : 2兆6291億ドル[世界第5位])
主要産業 自動車、航空機、電気機器、エレクロトニクス、化学、石油、ガス、金融
輸出 金、乗用自動車、原油、医薬品、ガスタービンなど
輸入 乗用自動車、原油、石油及び石油長製品、医薬品、金など

イギリスはすでにEUから離脱済みですが、いい機会なので見ておきたいと思います。



各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.61%、第二次産業が19.17%、第三次産業が80.22%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目
産業機械が約14%、宝石・金属類が約12%、自動車・自動車部品が約11%、医薬品が約8%、石油・鉱物性燃料が約7%、電気機器が約6%。

そのあとに、飛行機、精密機械、有機化学品、プラスチックが続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目
自動車・自動車部品が約12%、産業機械が約12%、電気機器が約10%、石油・鉱物性燃料が約8%、医薬品が約5%、宝石・金属類が約5%。

そのあとに、精密機械、プラスチック、航空機、アパレル関連品が続きます。(比率5%以下)


イギリスの第1次産業は、GDPの0.61%を占めています。

農業セクター

イギリスの農業では、高度に機械化された集約農業が行われています。

農業人口は労働人口の1.6%を下回りますが、高い農業効率から食糧需要の60%以上を充足することに成功しているようです。

農業の重要性は、農作物よりも畜産業の比重が高く、耕作生産の3分の2は家畜用の餌として供されるようです。

貿易における農産品の傾向としては、輸入超過が目立ちます。

・肉類 - 約19億ドルの輸出に対し輸入約59億ドル

穀物 - 約8.6億ドルの輸出に対し輸入約15億ドル

・乳酸品 - 約1.4億ドルの輸出に対し輸入約1.9億ドル

など高い輸入超過の傾向が見られます。

しかしこれらは食品加工業者の原料輸入分が多分に含まれており、食料自給率の低さを示しているわけではありません。

農産品が輸出に占める割合は、いずれも1.0%を下回る品目ばかりであり、国内需要分の供給に貢献していることが伺えます。

林業セクター

イギリスは木々の生育に適した気候を備えていますが、国土に占める森林の割合はおよそ12.9%に過ぎません。

これは平均して25%~37%程度を占める他ヨーロッパ諸国と比べて低い数字です。

背景には、2つの世界大戦が関係しています。

大戦の期間中に発効した経済ブロックにより、それまで輸入していた木材の輸入が困難になり

木材の輸入から自給に移行した結果、1919年には国土に占める森林の割合は一時5%以下に落ち込んでしまいます。

しかし、同年から政府による森林再生プロジェクトが提起され、今日に至るまで主に植林による森林再生が試みられています。

貿易統計からは、木材の輸入の多さが読み取れます。

・木材 - 約5億ドルの輸出に対し、約69億ドルの輸入
・紙類 - 約30億ドルの輸出に対し、約82億ドルの輸入
・紙パルプ - 約7.6億ドルの輸出に対し、約8.6億ドルの輸入

特に原料の木材に大きな輸入超過が確認できます。

それに比べると輸入超過の小さな紙パルプや紙類は、製造業部門の生産品です。

このことから、イギリスの林業が国内の木材需要分を満たす割合はごくわずかであることが伺えます。

ただでさえ森林面積が小さく、国策として林業保護が打ち出されているのですから、当然といえば当然です。

漁業セクター

漁業人口の減少が進んでいますが、技術力の強化を背景に2001年から漁獲量はほぼ安定しています。

英国のEUからの離脱を行うブレグジットに真っ先に賛成したのは漁業関係者だと言われています。

EU加盟以来、EU加盟国に対して強制力を持つ共通漁業政策の発効により、

英国領海内での外国漁船の操業を認めることになりました。

以来、内陸国の多いEU加盟国は、盛んに北海の英国領海内で操業を行い、英国の漁業は打撃を受けてきました。

こうした事情から、英国漁民のEUに対する不満と反感は根強く、

自国の排他的経済水域の主張を強く求める声があがっていました。

2016年の国民投票直前に行われたある調査では、漁業従事者の92%が離脱に投票すると回答したほどです。

英国漁業の損失の原因がEUにあるのと同時に、英国漁業に利益をもたらす最大の市場もまたEUでした。

しかし、中国やナイジェリアなどのEU圏外からの需要は伸びてきていることから、英国の漁民は漁獲量の保護を優先したようです。

貿易統計では、

・海産物 - 約19億ドルの輸出に対し、約26億ドルの輸入

英国の水産業は総体的に輸入超過に陥っていることが読み取れます。

なお海産物が輸出に占める割合は0.4%と小さいことから、

海産物が輸出に占める重要性は低いといえます。


イギリスの第2次産業は、GDPの19.17%を占めています。

工業セクター

一般に、イギリスの競争力は金融セクターにあると考えられており工業国としてのイメージは強くありません。

実際に、イギリスの製造業がGDPに占める割合はわずか9.69%であり、他ヨーロッパ諸国と比べると大きくありません。

1990年代以降のアジアの台頭は、競争力を持たない部門の低迷につながり、

途上国の廉価労働力の発見は、製造業の流出を招きました。

しかしながら、イギリスの貿易利益の40%近くを生み出す製造業セクターが重要性であることに変わりはありません。


産業は主に、機械、化学、軽工業(食品、衣服、食品加工、飲料など)の3つに分けられます。

最も盛んな機械産業は、大きく航空、自動車、その他の機械に分けられます。


イギリスの自動車産業は、純粋な国産企業と言えるトライアンフ1社を除く、ほぼ全ての企業が外資企業の傘下か合弁で経営されているとされます。

車種ごとに活躍の主体が分かれており、

高級車及びスポーツカーは、ベントレーロールス・ロイスジャガー、ランドローバー、マクラーレンなど

世界的なブランドを持つ国産メーカーが手掛けています。

量産車の生産は、国産のボクスホール(ゼネラルモータース傘下)ほか、日本のホンダ、日産、トヨタなど。

バス、トラックなど商用車の生産は、国産メーカーのアレクサンダー・デニス、IBC自動車、レイランドトラック、ロンドンタクシー会社などが

生産の主体となっています。

自動車及び自動車部品が輸出総額に占める割合は10.88%に達し、これは全品目中3番目の比率となっています。


航空部門は、国営メーカーと外資メーカーが入り混じって生産を行っています。

外資メーカーのエネルギーを大いに利用した結果、世界第4位のシェアを占めるに至りました。

国産メーカーとしては、BAEシステムズをはじめブリテン・ノーマン、コブハム、GNKなど。

外資系メーカーでは、アメリカのボーイング、GE、ロッキードマーチン、MBDAをはじめ、

フランスのエアバスサフランタレス、 カナダのボンバルディア、 イタリアのレオナルドなどが進出しています。

航空機が輸出総額に占める割合は4.07%であり、全品目中7番目の比率を占めています。

他にもテレビ、ラジオ、スマホなどの電化製品、パソコンなどの精密機械、オフィス装置などの産業機械などの幅広い機械が生産されています

輸出総額に占める割合も大きく

・産業機械の13.81%(品目中第1位)

・電気機器の6.25%

・精密機械の3.95%

などが見られます。


化学産業では、世界第10位の製薬業が最も盛んです。

国産メーカーとしては、2016年の製薬業ランキングで5位と10位にランクインしたGSKとアストラゼネカが有名です。

外資メーカーとしては、アメリカのファイザー、 スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ、ノバルティス、 日本のエーザイなどが知られています。

医薬品が輸出に占める割合は、品目中第7位の7.71%です。

輸出に占める割合の大きい化学製品としては、

・石油製品 - 7.07%
有機化学品 - 2.99%
・プラスチック - 2.54%

などが見られます。

他にも食品加工、タバコ、飲料、皮革、繊維、衣類、靴などがありますが、

1990年代以降に台頭した安いアジア製品に対して競争力を持たない産業は、価格競争に巻き込まれ、低成長に陥っています。

飲料産業は最も高いシェアを保持しており、globalEDGEが集計した129カ国の中で第2位、輸出総額の9.61%を占めています。

国内の輸出に対しては2.12%の割合に過ぎませんが、これは製品の単価のため、仕方ありません。

加工食品も129カ国の輸出総額の4.23%を占めており、第6位のシェアを持っています。


建設セクター

建設セクターの生産は、英国のGDPの6~7%を占めています。

事業の74%は民間からの注文であり、残りの26%が公共事業となっています。

鉱業ククター

相対的にイギリスは地下資源に乏しい国であり、多くの産業資源を他国からの輸入に頼っています。

石炭の産出が比較的多いですが、世界ランキングでは第26位の規模でしかありません。

近年は、石炭の火力発電から再生可能エネルギーへの転換を進めており、

2025年までに石炭による火力発電の全プラントを閉鎖する予定となっています。

北海に面する地理条件からエネルギー資源を得ていますが、以下のように規模は大きくありません。

・石油 - 世界第21位(2016)
天然ガス - 世界第20位(2016)

非金属類である土砂やチョーク、粘土、鉱石、石膏、岩石類などの産出は比較的多く、国内需要分を満たしています。

イギリスの建設セクターはGDPに対して約6-7%と他ヨーロッパ諸国に比べて若干高めですが、

英国で生産される鉱物資源の約50%を占める建設用のセメントなどの資材供給に支えられているものと思われます。

また、陶磁器・耐火材の原料となるカオリンの産出が多く、2014年の世界ランキングで第10位にランクインしています。

英国の国土には、豊富な鉄や銅などの金属資源の埋蔵量が確認されていますが、

物価の高い自国で産業的に採掘を行うよりも、物価の安いペルーやチリ、中国などの国から輸入したほうが採算性が確保しやすいとされます。

そのため、英国で大々的に採掘が行われる資源は限られたものとなっています。

カリウム - 世界第11位
タングステン - 世界第13位

輸出に占める割合の大きい鉱業品としては、宝石・金属類が11.81%に達しており、これは全品目中第2位の比率です。


また、2016年に決定されたブレグジッドが英国の鉱業セクターに与える影響は好ましいものではありません。

かつて覇権大国であったイギリスには、世界規模での資源採掘を行う資源メジャーが育っています。

リオティント、アングロアメリカBHPビリトン、グレンコアなどが主な資源メジャーとして知られますが、

EUの先進工業国に対して、EU圏内の関税メリットを利用して原料供給の役割を担っていたのがこれら資源メジャーです。

EUの先進工業国にとっても英国の資源企業は重要なサプライヤーであり、

EU圏内の関税を撤廃した貿易網はことのほか重要でした。

ところが、ブレグジッドが決定した今、英国とEU圏の工業国を結ぶつながりは失われ、

無関税を利用したサプライチェーンは崩壊の危機に瀕しています。

英国の資源メジャーにとっては、採掘した資源あるいは原料がEUに受け入れられなくなり、

またEUの工業国にとっても、英国のEU離脱は原料価格の高騰を招きます。

こうした見方からすれば、英国のEU離脱は英国が持つ資源とEUが抱える工業の結びつきの解除を意味します。

専門家は、英国とEUとの間に新たな貿易協定を結ぶことが喫緊の課題だと述べていますが、

何らかの改善策が取られない限り、英国の鉱業セクターは、ブレグジッドにより最も大きな打撃を受けるグループとなりそうです。


イギリスの第3次産業は、GDPの80.22%を占めています。

イギリスが生み出す富の約80%がこのセクターから生産されています。

英国といえば金融業をイメージする人も多いと思います。金融及び保険サービスがGDPに占める割合は、10%周辺となっています。

GDPに占める最も大きな部門は家計消費だとされ、全体の約63%を構成しています。

これは、2013年の日本のGDPに占める消費の割合(486兆円のうち約286兆円)と同等約60%とほぼ同等か、

それ以上であり、英国は金融国家であると同時に内需国家ということができそうです。

金融セクターがGDPに占める割合は、ブレグジッドの後遺症により減少傾向がうかがえます。

GDPに金融セクター及び関連産業の占める割合は、2014年の11.8%から2016年には7.2%まで減少しています。

これはブレグジッドにより金融セクターの収益が低下したことが原因と言えるでしょう。


このような背景から、英国企業を救済すべく、英国政府はEUとの間に新協定を結ぶことも検討しているようですが、

EU市場を顧客とする金融セクターにとってブレグジッドの影響は好ましいものではなさそうです。

また、金融関連業の収益の約51%が世界第1の金融センターと評される金融都市ロンドンから発生しています。

英国への対内直接投資は世界第2位、対外直接投資は世界第3位とされますが、

こうしたポジションを首都ロンドンを中心とする金融セクターが支えてきたことは間違いありません。

金融セクターへの顧客の提供に大きな役割を果たしてきたのは、EUのブロック協定です。

この協定に代わる新たな対案を提出しない限り、金融業を中心とする英国経済の凋落は避けられないかもしれません。


観光業については、

2016年には、世界第7位となる3581万4千人の観光客数を受け入れています。

観光収入はGDPの約3%を計上していますが、観光客数と合わせて、これは英国観光業の最高新記録となります。

英国観光業は雇用創出の担い手の役割が期待されており、2010年から発展が奨励されています。

2025年には、GDPの9.9%、雇用の11%が観光業から生み出される見通しだそうです。


その他の特徴

英国の国論として、原子力発電に対して肯定的です。

原子力発電は、二酸化炭素排出料も少なく安定的な電力供給を見込める効果的な発電手段とみなされています。

現在、英国の原子力プラントより供給される電力は、電力消費量の約21%だとされます。

とはいえ、電力消費量自体は全エネルギー消費量のわずか7%ほどの大きさです。

しかし、2011年に発表された政府目標では、原子力プラントの8基増設により、

原子力発電の割合を、現状の電力の21%の割合から、総エネルギーの25%まで伸ばす目標が掲げられています。

日本の原子力災害に対しては、教訓を得るべき経験とするも、原子力プラント増設の方針に変更はないようです。


3 フランス( GDP : 2兆4664億ドル[世界第6位])
主要産業 化学、機械、食品、繊維、航空、原子力、農業(西欧最大)、宇宙・航空産業、原子力産業
輸出 航空機・宇宙飛行体、農産品加工物、化学製品
輸入 コンピュータ・電子機器、産業機械・農業機械、農産品加工物


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.48%、第二次産業が19.35%、第三次産業が79.17%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目
重工業製品が上位3位を占めています。

産業機械が11.52%、航空機が約11%、自動車・自動車部品が約9%、電気機器が約8%、プラスチックが約6%。

そのあとに、プラスチック、飲料、精密機械、化粧品、石油・鉱物性資源が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

産業機械が約12%、石油・鉱物性資源が約11%、自動車・自動車部品が約10%、電気機器が約9%、航空機が約5%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、精密機械、有機化学品、アパレル製品が続きます。(比率5%以下)


フランスの第1次産業は、GDPの1.48%を占めています。

農業セクター

フランスの農業はEU最大の農産力を持っています。

フランスの農業生産がEUの農業生産に占める割合は18.1%にも達し、ドイツの13.4%、イタリアの12.3%、スペインの10.6%を超えています。

フランスといえば、世界的なワインの生産地です。

高級ブランドとして定着したボルドー5大シャトー、ブルゴーニュワインなどの世界的な需要を満たすことで、大きな収益を得ています。

ワインやシャンパンを中心とする飲料品の輸出は、約164億ドルです。これはフランスの輸出の3.32%を構成しており、

世界全体の飲料品輸出額では、15.94%に達しています。

その他の農産品は、

穀物 - 約80億ドル・輸出の1.62%
・乳酸品 - 約69億ドル・同1.40%(世界的にフランス産チーズが人気)
・肉類 - 約35億ドル・同0.76%
・家禽 - 約22億ドル・同0.45%

となっており、農産品の中では飲料品の輸出額が最も高い数字になっています。

林業セクター

フランスの林業は、造船の重要性の高まった大航海時代からフランスの産業需要に応えてきました。

フランスの造船企業であるナヴァル社の設立は1631年ですが、同社の起源はイギリスの艦隊に対抗するための艦隊を政府に供給することでした。

当時の船舶の材料が木材であったことは語るまでもありません。

しかし、数世紀に渡る伐採の結果、森林の減少が進み、林業に対する見方の見直しを迫られました。

そこで、1947年に発布された法令では、林業に対する伐採制限と植林の奨励が定められ、森林再生に向けた積極的な取り組みが行われてきました。

その結果、今日のフランスの国土に占める森林の割合は約28%に達しています。

この割合は、欧州内の平均水準ですが、森林の量で見た場合、フランスはEU第4位の森林量に達しています。

とはいえ、豊かな森林を持ってはいても、森林保護の長い伝統から林業の発展は限定的なようです。

以下のように、フランスの貿易において林業品には、輸入過剰の傾向が確認できます。

・紙類 - 輸出約61億ドルに対し、輸入約78億ドル
・木材 - 輸出約26億ドルに対し、輸入約37億ドル
・紙パルプ - 輸出約8.4億ドルに対し、輸入約15億ドル

また世界貿易という視点に移しても、名目GDP世界第6位の割には、フランスの林業品が世界貿易に占める割合は、小規模です。

globalEDGEが集計した129カ国の貿易総額において、フランスの林業品が占める割合は以下の通りです。

・紙類 - 3.97% - 第8位
・紙パルプ - 1.97% - 第12位
・木材 - 2.14% - 第13位

これは、フランスの林業が森林保有量と国力相応の発展を遂げていない証左といえるでしょう。

漁業セクター

フランスの漁業は、大西洋、地中海、そしてアフリカにある海外領土の海域で行われています。

フランス国民1人が年間に消費する海産品の消費量は32kとされ、EU諸国の平均値である23.1kgを10kg上回っています。(日本は55kg周辺)

EUが定める漁獲量制限や国民の高い海産物需要を受けて、フランスの漁獲量は国内需要を満たすことができていません。

フランスの漁業セクターには、強い輸入依存の傾向が確認されます。

フランスの海産物が輸出に占める割合は、わずか0.26%。

これは額面にして約13億ドルであり、輸入額の約45億ドルを大きく下回っています。

世界貿易でも

フランスの海産品が輸出に占める割合はわずか1.35%(第21位)に過ぎない一方で、

輸入は貿易全体の4.79%を占める第5位を記録しています。


フランスの第2次産業は、GDPの19.35%を占めています。

工業セクター

フランスの工業は産業の多様化が進んでいます。

重要な部門としては、自動車、航空機、化学、電気機械、食品加工、金属加工などが知られています。

自動車産業は、主に国産のルノーとグループPSA (プジョーシトロエン、DS、オペル、ボクスホールブランド)の活動が盛んであり、

フランス国外で販売される車のうち4分の3以上がこの2社から生産されています。

また、ヨーロッパで購入される自動車の23%がフランス車だとされ、人気の高い自動車産業の受注を求めて世界的な自動車部品メーカーの進出が相次いでいます。

主要なものとしては、ドイツのボッシュ・グループ、アメリカのデルファイ・コーポレーション、日本のデンソーが知られており、

世界最大規模のタイヤメーカーである国産のミシェランも含めて、自動車部品もフランスの工業の重要な位置を占めています。

自動車及び自動車部品がフランスの輸出に占める割合は、品目中第3位の8.85%に達します。

航空部門は、幅広い事業を手掛けており、民間航空機から国防ジェット機、宇宙飛行機、ヘリコプター、更にはミサイルまで製造しています。

航空機が輸出に占める割合は10.96%に達し、輸出品目の中では第2位。

またglobalEDGEが集計した129カ国中でも第2位の16.36%を占めるなど、エアバスの本部でもあるフランスの航空部門の強さが伺えます。

化学部門は、化学の発展と応用の伝統を背景に、大きな発展が確認できます。

近代科学の成立に大きな役目を果たした人物としては、

元素の命名とともに、空気の組成の解明に功績のあるラヴォワジェ、

有機合成化学を開いたベルテロ、放射線の研究に功績のあるキュリー夫人など

名高い科学者を多く排出しており、化学力の伝統は、ヨーロッパ第2と言われる今日の化学産業に生き続けています。

貿易に占める主要な化学品は、以下の通りです。

・医薬品 - 輸出約299億ドル(6.05%)、輸入約222億ドル(129カ国の輸出合計の第7位)
・プラスチック - 輸出約195億ドル(3.95%)、輸入約218億ドル(129カ国の輸出合計の第8位)
・化粧品 - 輸出約151億ドル(3.06%)、輸入約53億ドル(129カ国の輸出合計の第1位)
・石油・石油製品 - 輸出約146億ドル(2.96%)、輸入約596億ドル(129カ国の輸出合計の第29位)
・化学製品 - 輸出約114億ドル(2.32%)、輸入約106億ドル(129カ国の輸出合計の第4位)

具体的な製品としては、自動車のタイヤを作るのに必要なゴム、顔料、塗料、農薬、火薬、石鹸・洗剤、香料などが挙げられます。

食品加工業は、製品の単価が工業製品に比べて低いことから輸出に占める比率は高くありません。

しかし、フランスの食料品は世界貿易に大きなシェアを持っています。

globalEDGEの集計した129カ国の貿易に占める割合は以下の通りです。

・ワインなどの飲料品 - 15.94% (第1位)
・家畜 - 10.86% (第1位)
穀物 - 7.64%(第3位)
・砂糖・菓子類 - 5.38%(第3位)
・乳製品 - 9.22%(第4位)

また、これと同じことが鉄鋼に関しても起きています。

がフランスの輸出の2~3%を占めるに過ぎない鉄鋼及び鉄鋼製材は、

129カ国の貿易総額に占める割合では、それぞれ4.00%(第8位)と3.13%(第7位)を占めています。

なお、輸出に占める割合が最も高い品目は、11.52%を占める産業機械ですが、

これはフランスの原子力企業であるアレバ社が世界に版圏を持つ多国籍企業であることから、エネルギープラントが大きな比率を占めていることが考えられます。

アレバ社は近年再生可能エネルギー事業にも進出しており、

フランス国内を始め、EU、アフリカ、北米、中央アジア、インド圏との間に、

原子力及び再生可能エネルギープロジェクトを結んでいます。

建設セクター

フランスの建設セクターはGDPの約4.9%を占めています。

不況の影響を受けて2007年から8年連続で成長は下降を記録しましたが、2016年には1.9%の成長に転じています。

なお、フランスの大手建企業であるヴァンシ、ブイグは、2015年の建設メーカーランキングでそれぞれ第5位と第8位にランクインしています。

鉱業ククター

フランスは資源に乏しい国です。世界シェア8位を占める塩を除けば、

石炭、石油、天然ガスなど、産出を見込める資源は国内需要の数%を満たす程の量しか採れません。

しかしながら、フランスの電力を支える原子力発電は、大量のウランを必要とします。

この資源は世界15カ国程度からしか満足のいく生産が行われておらず、資源に乏しいフランスはその15カ国に含まれていません。

それでは、フランスはどのようにして物資を確保しているのでしょうか。

それは海外からの輸入です。

フランスは、歴史的に関係の強いカナダやニジェール、またカザフスタンからの輸入によりウランを確保しています。

その他の物資も、旧植民地のアフリカ諸国や海外領土のフランス領ギニアニューカレドニア(オーストラリアに近い)などは比較的資源埋蔵量も多く、

盛んな産出が行われています。


フランスの第3次産業は、GDPの79.17%を占めています。

フランスは、世界で最も多くの観光客が訪れることで知られています。

国内に残るヴェルサイユ宮殿、モン・サン=ミシェル、ルーブル宮殿など多くの歴史遺産の観光を目的に2016年に訪れた旅行者の数は、

フランスの人口6280万人を上回る8260万人に上ります。

また、フランスの電力は電子力発電による生産コストの安さから海外へ積極的に輸出されています。

原子力事業は、電力輸出のみならず、海外でのプラント建造、メンテナンス、核燃料のリサイクルサポートでも収益を生み出しており、

各事業の収益の合計額は、フランスのGDPの約2%に達します。


その他の特徴

2000年に設立されたユーロネクスト証券取引所の一つがフランスのパリに置かれています。

このユーロネクストを構成する証券取引所は、

フランスの旧パリ証券取引所、ベルギーの旧ブリュッセル証券取引所、オランダのアムステルダム証券取引所ポルトガルリスボン証券取引所の3つです。

現在、この4つの証券取引所は、単一のユーロネクストの下に、

ユーロネクスト・パリ、ユーロネクストブリュッセルユーロネクストアムステルダムユーロネクストリスボンと名称を変え、

3つの取引所で取引されていた現物及び銘柄は、

取引所の合併に合わせて1つの証券市場に統合されています。

2007年には、さらにニューヨーク証券取引所との合併が行われ、NYSユーロネクストが発足しています。


4 イタリア( GDP :1兆8507億ドル[世界第8位])
主要産業 機械、繊維・衣料、自動車、鉄鋼
輸出 医薬品、原油以外の石油、自動車部品、自動車
輸入 原油、自動車、ガス、医薬品


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.10%、第二次産業が24.07%、第三次産業が73.83%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

工業製品が大きな割合を占めています。

産業機械が約20%、自動車・自動車部品が約8%、電気機器が約6%。

そのあとに、医薬品が約4%、プラスチックが約4%、鉄鋼製材が約4%、石油・鉱物性燃料が約3%、家具類が約3%、宝石・金属類が約3%、鉄鋼が約2%が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

燃料及び工業製品の原料品が目立ちます。

石油・鉱物性燃料が約13%、産業機械が約10%、自動車・自動車部品が約9%、電気機器が約8%、医薬品が約5%。

そのあとに、プラスチック、鉄鋼、有機化学品、精密機械、宝石・金属類が続きます。(比率5%以下)


イタリアの第1次産業は、GDPの2.10%を占めています。

農業セクター

農業は、気候・土壌が変化に富んでいるため、様々な農作物の栽培が可能です。

世界有数のワインの生産国として知られ、2013年のワイン生産量はフランスに次ぎ世界第2位でした。

酪農も主要な産業であり、ゴルゴンゾーラパルミジャーノ・レッジャーノなど約50種類のチーズが生産されています。

イタリアの貿易に占める主要な農産品の割合は、以下の通りです。

穀物 - 輸出約9億ドル(輸出総額の0.2%)、輸入約32億ドル
・肉類 - 輸出約23億ドル(輸出総額の0.49%)、輸入約49億ドル
・乳酸品 - 輸出約29億ドル(輸出総額の0.65%)、輸入約40億ドル
・小麦粉類 - 輸出約49億ドル(輸出総額の約1.06%)、輸入約15億ドル
・飲料品 - 輸出約85億ドル(輸出総額の1.86%)、輸入約18億ドル

イタリアの農産品は総体として輸入過剰だとされています。

林業セクター

観光業から工業まで自然と密接に結びつくイタリア経済にとって、森林は貴重な資源です。

しかしながら、大帝国の中心地として長年の伐採により、イタリアの森林は大きく数を減らしました。

その森林の減少に、新しい技術に抵抗を持つ労働者の高齢化が加わり、イタリアの林業の生産性はEU最低レベルに落ち込んでいます。

しかしながら、国内にある家具類、製紙業へは、安定的かつ確実な木材供給が必要です。

そこで、イタリアの木材加工業は、近隣のオーストリア、フランス、スウェーデンフィンランドなどからの

輸入により製品の原料供給を賄っています。

イタリアの貿易における林業品の動向は、以下の通りです。

・紙パルプ - 輸出約3億ドル(輸出総額の約0.07%)、輸入約23億ドル
・木材 - 輸出約18億ドル(輸出総額の約0.40%)、輸入約42億ドル
・紙類 - 輸出約68億ドル(輸出総額の約1.49%)、輸入約51億ドル

紙パルプに約20億ドルの損失が見られますが、紙類のプラス約17億の収支でほぼ埋め合わせできています。

木材の輸入も高いですが、木材を主な原料とする家具類の輸出は約128億ドルにも達し、

付加価値を加えることにより十分な埋め合わせが効いています。

漁業セクター

イタリアの漁業は、地中海の中央に位置する有利な地理条件にありながら、縮小を続けています。

これは、乱獲により被害を受けた魚資源の再生と持続のため、欧州連合より出された漁獲量制限を受けたことが大きく、

2015年の漁獲量は世界第48位となっています。

海産物の輸出額は約4億ドルである一方、輸入量は42億ドルに達しています。


イタリアの第2次産業は、GDPの24.07%を占めています。

工業セクター

2015年のイタリアの貿易収支は、輸出4569.9億ドルに対し、輸入4109.3億ドル。つまり460.6億ドルの黒字です。

これは、輸入した原料に付加価値を与えて輸出に回せている証左といえます。

イタリアは戦前は遅れた農業国でしたが、戦後のアメリカによるマーシャルプランと朝鮮戦争の鉄鋼特需を通して、工業国に発展しました。

地下資源の乏しさを抱えていたものの、欧州石炭鉄鋼共同体の無関税を利用すべく

発足当初から加盟することで原料調達の問題を解決しています。

イタリアの鉄鋼生産は世界第11位周辺であり、主要な輸出資源であると同時に

イタリア工業の主力である機械産業を支える柱として機能しています。

主な機械産業は、自動車産業、航空産業、家電産業、兵器、重機械などです。

また皮革、衣類、靴、アクセサリなどの装飾部門は、イタリアの輸出総額に占める割合は大きくないものの高度なブランド化に成功しており

globalEDGEが集計した129カ国の輸出総額では、それぞれの品目で高い割合を占めており、上位にランクインしています。

イタリアの貿易における機械製品の動向は、以下の通りです。

・産業機械 - 輸出・約923億ドル(輸出総額の20.20%)、輸入・約393億ドル
・自動車・自動車部品 - 輸出・約380億ドル(輸出総額の8.32%)、輸入・約364億ドル
・電気機器 - 輸出・約274億ドル(輸出総額の6.00%)、輸入・約314億ドル
・鉄鋼製材 - 輸出・約168億ドル(輸出の約3.68%)、輸入・約52億ドル

国内自給の難しい電気機器を除き、プラス収支を達成しています。

同じく、装飾部門は以下の通りです。

・アパレル(非ニット) - 輸出・約120億ドル(輸出総額の2.62%)、輸入・約72億ドル
・履物 - 輸出・約104億ドル(輸出総額の約2.30%)、輸入・約60億ドル
・皮革製品 - 輸出・約80億ドル(輸出総額の約1.75%)、輸入・約32億ドル
・アパレル(ニット) - 輸出・約74億ドル(輸出総額の約1.63%)、輸入約60億ドル

また化学製品も輸出の大きな割合を占めていますが、貿易統計からは前2つほどの付加価値を生み出している様子は伺えません。

・医薬品 - 輸出・約200億ドル(輸出総額の4.33%)、輸入・約206億ドル
・石油・鉱物性燃料 - 輸出・約147億ドル(輸出総額の3.21%)、輸入・約523億ドル
有機化学品 - 輸出・約70億ドル(輸出総額の1.52%)、輸入・約143億ドル
・セラミック製品 - 輸出・約49億ドル(輸出総額の1.07%)、輸入・約8億ドル

セラミック製品は高い付加価値を生み出すとともに、129カ国の輸出総額でも第2位の8.65%を占めています。

建設セクター

GDP全体の4.8%を占めるとされますが、2008年の信用問題をきっかけに生産が50%削減されたとされます。

しかしながら、再生可能エネルギーの利用向上にあわせてエネルギープラントの建造が予定されており、

今後の成長を下支えする要因となっています。

鉱業ククター

国内の資源の乏しさから、鉄、銅、鉄鋼、鉛、亜鉛などの原料を他国から輸入しています。

一方で、セメント、粘土、石灰岩、大理石、土砂などの非金属類の資源は少なくない量を国内で自給できています。

エネルギーに関しても現在の生産方法は石炭や石油の火力発電が主流であり、

火力発電に必要な化石燃料の約80%を輸入に依存しているとされ、

またそれに輸入した電力を加えてようやく維持が可能という状態です。

この財政的負担はイタリア経済の安定性にとって大きなリスク要因であり、

再生可能エネルギーの導入などにより、化石燃料を利用した火力発電の割合を軽減していくことが求められています。

政府目標によると、一次エネルギーに占める再生可能エネルギーの比率を、2010年の22%から2020年までに35-38%まで高め、

輸入の割合を2010年の13%から2020年までに7-10%までに削減することが目指されています。


イタリアの貿易における資源の動向は、以下の通りです。

・石油・鉱物性燃料 - 輸出・約147億ドル(輸出総額の3,21%)、輸入・約523億ドル
・鉄鋼 - 輸出・約107億ドル(輸出総額の2.33%)、輸入・約165億ドル
・アルミニウム - 輸出・約58億ドル(輸出総額の1.27%)、輸入・約56億ドル
・銅 - 輸出・約36億ドル(輸出総額の0.78%)、輸入・約64億ドル
・ニッケル - 輸出・約3億ドル(輸出総額の0.06%)、輸入・約8億ドル
亜鉛 - 輸出・約2億ドル(輸出総額の0.04%)、輸入・約6億ドル

上にあげた品目では、アルミニウムを除き、輸入超過の傾向が確認できます。


イタリアの第3次産業は、GDPの73.83%を占めています。

ローマ帝国発祥の地としての歴史遺産に恵まれたイタリアに集まる観光客の数は年間5237万人を超えるとされ、

サービスセクターの重要な外貨獲得機会となっています。

観光客が消費したお金はイタリアの観光収益となり、第3次産業の総収益の約11.8%を構成しています。


その他の特徴

イタリアと聞いて、その都市景観や歴史的建造物、ローマ法王などをイメージする人も多いと思いますが、

イタリアといえばマフィアの国です。

イタリアの地下経済の規模は国家のGDPの約17%にも及ぶとされ、

主に農業、建設、サービスの部門で活動が確認されるようです。

2016年のイタリアのGDPは1兆8500億ドルですから、およそ3146億ドルもの地下資源が、マフィアたちの間で流通していることになります。

また、イタリアといえば、PIGSの一員であり、経済失敗国の印象を持つ人もいると思いますが、

2016年の名目GDPでは、世界第8位。

英国の抜けたEUではドイツ、フランスに次いで第3位であり、貿易収支も460億ドル以上の黒字を計上しています。

イタリアが世界屈指のファンダメンタルを抱えるにもかかわらず、

失敗国家に含められる理由は、前述の地下資源に代表される経済の不透明性、脱税問題、および政府の腐敗、政府が積み上げた負債の重さにあります。

こうした悪要因が投資家不安を増幅させ、イタリアの経済成長を妨げる一要因となっていることは間違いありません。

政治家とマフィアの癒着などが容易に予測されますが、

更なる経済成長に向けて、何らかの施策が求められることは確かでしょう。


5 スペイン( GDP : 1兆2326億ドル[世界第14位])
主要産業 自動車、食料品、化学品、建設業、観光業
輸出 自動車・自動車部品、医薬品、石油・ガス、鉄鋼製品・鋳造品、プラスチック製品、衣類など
輸入 石油・ガス、自動車・自動車部品、医薬品、衣類、鉄鋼製品・鋳造品、有機化学品など

アメリカの金融恐慌が起きた2008年ごろ、スペインは不動産バブルの状況にありました。

そこに起きたアメリカ発の経済不況は不動産バブル崩壊のきっかけとなり、スペイン経済に深刻な打撃を与えます。

2013年には失業率が最大27%近くまで上昇しましたが、2016年には18.6%まで下落し、回復の兆候を見せています。


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.57%、第二次産業が23.35%、第三次産業が74.08%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

自動車が約18%、産業機械が約8%、電子機器が約6%。

そのあとに、原油・石油製品、医薬品、プラスチック、フルーツ・ナッツ類、アパレル(非ニット)、鉄鋼製材、鉄鋼などが続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

原油・鉱物性燃料が約14%、自動車・自動車部品が約13%、産業機械が約10%、電子機器が約8%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、アパレル(非ニット)、有機化学品、鉄鋼、精密機械などが続きます。(比率5%以下)


スペインの第一次産業は、GDPの2.57%を占めています。

農業セクター

農産品生産の約4分の3を占める野菜、フルーツなどの有機植物は、その80%が輸出を目的に栽培されています。

globalEDGEが集計した129カ国の貿易に占める割合では、

フルーツ・ナッツ類が輸出総額の9.10%(第2位)、野菜が9.44%(第3位)を占めるなど

世界の食物供給におけるスペインの重要性が伺えます。

世界第3位のワイン生産に必要なぶどうの生産が盛んで、穀物は主に大麦と小麦が栽培されます。

畜産業の占める割合は、半分以下だとされ、収穫された家畜の肉は主に食品加工部門で処理されます。

肉類の輸出は約51億ドルにも達しており、これは輸出総額の1.83%。

129カ国の貿易では全体の4.50%を占める第6位のシェアとなっています。

林業セクター

スペインといえば、16世紀の大航海時代に主導的な役割を果たした国です。

航海に必要な船舶の建造のため、多量の木材が伐採されてきました。

さらに、人口増加に伴う燃料、建築需要の増加も森林伐採に拍車をかけ、

国土の森林の多くが深刻なダメージを受けてきました。

そこでスペイン政府は、1940年代以降、繰り返し森林保護政策が繰り返し打ち出してきました。

この試みは、欧州連合からも助成によって支援されており、50年以上にわたる植林と保護政策の結果、

今ではスペインの国土の36.4%を森林が占めており、毎年この比率は上昇し続けています。

このようにスペインは森林保護に積極的なため、林業セクターは比較的小さなものとなっています。

主要な生産品は、コルク、ユーカリ、オーク、マツ、ポプラなどです。

スペインの貿易における林業品の動向は、以下の通りです。

・紙類 - 輸出・約36.7億ドル(輸出総額の1.32%)、輸入・約37.1億ドル( 13 / 129 )
・紙パルプ - 輸出・約6億ドル(輸出総額の0.21%)、輸入・約10億ドル( 17 / 129 )
・木材 - 輸出・約14億ドル(輸出総額の0.52%)、輸入・約13億ドル( 24/129 )
・コルク - 輸出・約3億ドル(輸出総額の0.09%)、輸入・約1億ドル( 2 / 129 )
※カッコ内のランキングは、globalEDGEの集計した129カ国の輸出に占めるシェア

スペインの林業は、保護政策の下、世界的にも目立った規模ではありません。

ただし、スペインの輸出に占める割合はわずかなものの、

コルクの輸出は129カ国中第2位となる15.99%のシェアを持っています。

漁業セクター

スペインの漁業は欧州最大だとされ、GDPに対して1%の割合を占めています。

魚は国民の日常食として重要な位置を占めており、国民一人当たりの魚の年間消費量は、世界第9位。

国民の間の強い魚需要を埋めるため、輸入による供給が必要になっています。

近年は海域をめぐりモロッコ、カナダなどとの間に紛争が起こっており、

漁獲高も減少していますが、沿岸部での養殖で代替しつつあります。

スペインの貿易における海産品の動向は、以下の通りです。

・海産品 - 輸出・約28億ドル(輸出総額の1.01%)、輸入・約55億ドル(9 / 129)
※カッコ内のランキングは、globalEDGEの集計した129カ国の輸出に占めるシェア

ヨーロッパ最大の漁業をもちながら、輸入量が輸出量の約2倍にも達しています。

世界でも第4位に達する輸入量の理由は、魚関連の食品加工業が発展しているためです。

スペインの魚関連の食品加工業(冷凍、塩漬け、缶詰など)の規模はヨーロッパ最大だとされ、

大量の製品を製造するために原材料となる魚の輸入を必要としています。


スペインの第二次産業は、GDPの23.35%を占めています。

工業セクター

スペインで最も大きな工業が自動車産業です。

2016年の自動車生産台数は、世界第8位。EUではドイツに次ぎ、第2位の産業規模となっています。

しかしながら、自動車産業のプレイヤーには外資系企業が目立ちます。

ダイムラー、フォード、ゼネラルモータズ、日産、PSA、ルノーフォルクスワーゲンオペルなど名だたるグローバル自動車メーカーが進出しています。

SEAT(セアト)の本拠地はスペインですが、フォルクスワーゲンの傘下に入っています。

こうした自動車メーカーによる失業問題(2017年時点で17%)への貢献も大きく、自動車産業従事者の割合は製造業者の9%を占めています。

2016年のGDPに占める自動車産業の貢献は8.7%とされ、生産された自動車の80%は輸出されています。

また産業の高度化を目指して研究開発に力を入れた結果、従来の重工業部門に代わり

バイオテクノロジー産業、化学産業、電気機器、情報通信などの分野も勢いを強めています。

スペインの貿易における工業製品の動向は、以下の通りです。

・自動車及び自動車部品 - 輸出・約497億ドル(輸出総額の17.87%)、輸入・約388億ドル( 9 / 129 )
・産業機械 - 輸出・約222億ドル(輸出総額の7.99%)、輸入・約291億ドル( 21 / 129 )
・電気機器 - 輸出・約157億ドル(輸出総額の5.66%)、輸入・約241億ドル( 20 / 129)
・鉄鋼製材 - 輸出・約71億ドル(輸出総額の2.57%)、輸入・約40億ドル( 8 / 129 )
・航空機 - 輸出・約47億ドル(輸出総額の1.69%)、輸入・約29億ドル( 10 / 129)

品目の中では、自動車及び自動車部品の占める比率が突出して高く、輸出総額の17.87%を占めています。

これは全品目中最大の数字であり、以下、産業機械と電気機器を合わせて輸出額の高い品目のベスト3となります。


スペインの貿易における化学製品の動向は、以下の通りです。

・石油・鉱物性燃料 - 輸出・約139億ドル(輸出総額の4.99%)、輸入・約428億ドル( 30 / 129 )
・医薬品 - 輸出・約113億ドル(輸出総額の4.08%)、輸入・約148億ドル( 13 / 129)
・プラスチック - 輸出・約108億ドル(輸出総額の3.90%)、輸入・約106億ドル( 16 / 129 )

貿易統計からは特に目立った競争力は感じられませんが、

この中では、国内市場の成長を背景に製薬業界の成長が最も著しいようです。


建設セクター

バブル崩壊震源地であり、現在も深刻な低迷にあえいでいます。

バブル崩壊前の2005年から2009年にかけて、建設セクターはGDPに対して10%付近の比率だったにも関わらず、

2009年のバブル崩壊きっかけに建設セクターは急速に縮小します。

2007年のピーク時にはGDPの16%を占めていた建設セクターの比率は、2015年には5.1%まで落ち込みます。

しかしながら、2015年を底に2翌年以降は復調の兆しを見せており、

国内経済の回復と外国投資の増加により、年間成長率3%を達成しています。

鉱業セクター

石炭が鉱業生産高の大半を占めています。

その他の鉱業生産品としては、鉄、銅(2015 : 世界19位)、鉛、亜鉛(2015 : 世界24位)、タングステン(2014 : 世界8位)、カリウム(2015 : 世界10位)、カオリン(2014 : 世界21位)、ニッケル(2013 : 世界23位)水銀、金などが挙げられます。

しかし、アメリカ大陸から採掘した金・銀の精錬に使われた水銀のように、

長年の採掘の結果、その埋蔵量を大きく減らした資源が目立ちます。

原油天然ガスの産出も、国内需要を満たすには程遠く、石炭、原油などの化石燃料の大半を輸入に依存しています。


スペインの第三次産業は、GDPの74.08%を占めています。

スペインの第三次産業は、工業化の遅れにより、他の欧州諸国と比べて第三次産業が遅れ気味な点が特徴です。

観光業の発展が進んでおり、2016年の世界観光客数ランキングでは、フランス、アメリカに次いで世界第3位を獲得しています。

欧州の西端の地理条件や年間を通して温暖な気候も助け、イギリス、フランス、アメリカをはじめ、世界じゅうの国々から旅行者がスペインに訪れています。

2016年の観光客数は7556万人でしたが、この数字はスペインの人口約4640万人の150%以上に相当する数字です。

観光収益はGDPの約10%を占めており、

スペイン経済において、工業セクター、金融セクターに続いて3番目に重要だとされています。


その他の特徴

スペインは、再生可能エネルギーが電力生産の主力を占める(2015 : 47%)唯一の国とされます。

エネルギー使用量がEU平均の88%ほどと少ないことも特徴のひとつです。

国土の北部で盛んな水力発電は、電気需要の6分の1を満たし、

2015年の時点では、風力発電が総発電量の23.7%を占める主要な発電です。

これは、22.7%を占める原子力発電による発電量と比べてもほぼ同量で、ヨーロッパを代表する再生可能エネルギー利用国との評価を受けています。

2020年までに風力発電の比率を40%まで高めることを目標としており、再生可能エネルギーの関連技術も盛んに輸出されています。


6 オランダ( GDP : 7775.5億ドル[世界第18位])
主要産業 卸売・小売業、製造品(食品・飲料加工、化学・薬など)、医療・社会福祉
輸出 機械・輸送機器類、化学製品、食品・動物など
輸入 機械・輸送機器等、鉱物性燃料、化学製品等

オランダは1650万人ほどの人口規模ながら世界第18位のGDPを生産しており、

1人あたりGDPは約4,6万ドルと世界第14位の成績を残しています。

鉱物資源には乏しく輸入に依存しているものの、1950年代に発見された天然ガスが歳入の多くを占めています。

経済は1980年代に民営化が進んだものの、比較的に政府の規制の強い混合経済の形態をとっています。

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.78%、第二次産業が19.72%、第三次産業が78.5%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目(2015)は、産業機械が約14%、原油・鉱物性燃料が約13%、電子機器が約9%、医薬品が約6%。

そのあとに、精密機械、プラスチック、輸送機器、有機化学品、鉄鋼などが続きます。

主要な輸入品目(2015)は、原油・鉱物性燃料が約17%、産業機械が約13%、電気機器が約12%、輸送機器が約5%。

そのあとに、精密機器、医薬品、有機化学品、プラスチック、鉄鋼、鉄鋼製品などが続きます。


オランダの第1次産業は、GDPの1.78%を占めています。

農業セクター

2016年の輸出総額の22%を農産品及び農業技術が占めるほど農業セクターは盛んです。

農産品の輸出額は、EUでは第1位、世界ではアメリカに次いで第2位の数字を残しており、

高度な実績を背景に高い需要を持つ農業技術の輸出もまた盛んに行われています。

主要な農産品は、青果、チーズやバターなど牛乳関連の酪農製品、家畜の肉、食料加工品です。

林業セクター

森林がオランダの国土に占める割合は10%ほどと少なく、また自然保護に力を入れる政府により、森林の大半は公共資産とされています。

そのため参入が難しく、発展も限定的なものに留まっているようです。


漁業セクター

漁業セクターは発展が遅れており、小規模だとされます。

魚の国内消費量の4分の3は海外からの輸入に依存しており、またオランダ国内の漁獲量の80%は輸出に回されるため、

魚の輸入量が輸出量を上回る事態が起きています。

これは、過去20年間の間にオランダの漁業が衰退したため、

食料加工業界が他国からの輸入で原料の調達を始めたことが原因の一つとなっているようです。


オランダの第2次産業は、GDPの19.72%を占めています。

工業セクター

工業セクターには、オランダの就労人口の13%が従事しており、輸出の75%が工業セクターから生産されています。

高度に先端化された工業は付加価値を創造する能力に優れており、イノベーションの期待も高まっています。

工業自体は、国の資源の乏しさから日本のような加工貿易が主流です。

原料品をほとんど必要としない機械部品、合成繊維、電気器具のような工業が発達しており、

製鉄、機械、造船、飛行機などの金属工業、豊富な農産品を背景とした食品加工や化学工業も盛んです。

建設セクター

建設セクターは、世界不況が起きた2008年以前と比べて需要も低落していますが、回復の予兆が見えているようです。

鉱業ククター

オランダの国土は狭いこともあり、地下鉱物資源に恵まれていません。

しかし、天然ガスの産出は豊富で、その生産量はEU諸国内で2番目。

一時は、いわゆるオランダ病の原因となったものの、

EU全体の天然ガス埋蔵量の約30%を占める重要なエネルギー資源として、主にEU諸国向けに輸出も行われています。

石油や石炭の需要の大部分は輸入に依存しているものの、

石油精製産業は発展しており、ロイヤル・ダッチシェルが国内のみならず石油メジャーとして世界中で資源開発を行っています。

オランダの第3次産業は、GDPの78.5%を占めています。

オランダは、北海沿岸部に位置する海上交通の要衝として国際貿易を中心に発展してきました。

その地理的特性をいかして、サービス業の中心は金融と流通です。

首都アムステルダムにはユーロネクストの取引所であるアムステルダム証券取引所があり、ライン川河口にあるロッテルダム港はEU最大の港です。

また、知的先進性をいかして創造産業も発展しており、IT産業をはじめとする情報通信産業も発展しています。

その他の特徴

1980年代にいわゆる「オランダ病」を発症しましたが、

先端技術の育成と雇用確保の両立により国際競争力を高めることで対処しました。

一応の復帰を果たし先端工業国として一皮むけたオランダ経済は高度な国力と高い信頼性を示しています。


7 ルクセンブルク( GDP : 599.8億ドル[世界第74位])
主要産業 金融業、鉄鋼業
輸出 鉄製品、タイヤ、自動車
輸入 石油類、自動車、航空機類

ルクセンブルクは、人口約58万人の小国です。

しかし、ヨーロッパの金融セクターとして機能しており、一人当たりGDPは1992年以降世界第1位を継続しています。

その数値は唯一10万ドルを突破しており、2位のスイス(約8万ドル)と比べても2万ドル近い開きがあります。


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.23%、第二次産業が12.33%、第三次産業が87.44%となっています。(2016)


globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目(2016)は、鉄鋼が13%、産業機械が約11%、プラスチックが約10%、輸送機械・部品が約7%、鉄鋼製品が約6%、ゴムが約5%、電気機械が約5%。

そのあとに、日用品、アルミニウム、紙が続きます。

主要な輸入品目(2016)は、輸送機器・部品が約12%、石油・鉱物性燃料が約9%、産業機械が約9%、電気機械が約6%、飛行機が約6%、鉄鋼が約6%、プラスチックが約6%。

そのあとに、ゴム、アルミニウム、日用品が続きます。


オランダの第1次産業は、GDPの0.23%を占めています。

農業セクター

農業セクターの発展は限定的です。

土地の余剰が少なく、耕作しても採算を見込めない限界耕作地の多さが農業の発展を妨げています。

農業生産の中心は畜産業で、穀物や野菜、ワインの生産も行われています。

林業セクター

ルクセンブルクは、国土の約33%が森林で覆われており、私有林の割合が約55%に達するにもかかわらず

1990年から2010年までの間に森林の減少率は年平均0.06%、また第一次産業の小ささからも、

林業セクターは極めて微小であることがわかります。

漁業セクター

ルクセンブルクは、フランス、ベルギー、ドイツに囲まれた内陸国なので、漁業セクターは発展していません。


ルクセンブルクの第2次産業は、GDPの12.33%を占めています。

工業セクター

ルクセンブルクの工業は鉄鋼業によってリードされてきました。代表的な企業としては鉄鋼メーカー世界第1位のアルセロール・ミッタルが知られています。

その他の代表的な分野としては、自動車タイヤ、化学などの重化学工業の分野において、

それぞれ大手のグッドイヤー、デュポン、モンサントなどの外資系企業の誘致に成功しており、産業の多角化が図られています。

そのほかにも、断熱材大手のアーマセル、家庭用品大手のラバーメイド、

また食品加工では王家御用達とされる「オーバーワイス」が世界的なブランドの定着に成功するなど、軽工業も発展しています。

しかしながら、産業の重点は重工業から金融業にシフトしており、

第二次産業GDPに占める割合は、1995年の21%から2016年には12.33%に低下しています。

建設セクター

建設セクターが2015年のルクセンブルクGDPに占めた割合は5.4%です。

これはドイツの3.3%、フランスの4.9%、イタリアの4.8%と比べると若干高い数値に見えますが、

これはルクセンブルクがアジアのシンガポールや香港のような欧州の租税回避地であることが関係していると考えられます。

シンガポールや香港で起きている住宅ブームがルクセンブルクでも起きていると考えられます。

鉱業ククター

ルクセンブルクは資源に恵まれておらず、資源の輸出ではなく、人材の独創性と競争力で発展してきた国です。

産業資源の大半を輸入により賄っています。


ルクセンブルクの第3次産業は、GDPの87.44%を占めています。

ルクセンブルクは、地理的にヨーロッパの中心に位置しており、その地理的特性から交通網が整備されているほか、

欧州最大の港を有するオランダと近接する物流の要衝であり、

欧州圏にビジネスを拡大しようとする世界企業にとっては魅力的な立地条件を備えています。

そうした特性を生かして、ユーロ圏におけるプライベート・バンキングの中心地の地位を獲得しています。

国内には、EUの政策金融機関である欧州投資銀行やユーロスタット、

欧州会計監査員といった欧州連合の金融関連機関や世界に2つしかない国際決済機関であるクリアストームが設置されており、

EU諸国の金融機関を束ねる役割を果たしています。

金融業が2013年のGDPに占めた割合は、36%にのぼります。

また、産業の多角化のため情報通信分野や物流業の誘致も進んでおり、GDPの拡大に寄与しています。

その他の特徴

軽減税率を導入することで世界中の企業の本社を誘致することに成功しています。

有名どころでは、スカイプeBay、アップルなどのインターネット関連企業がルクセンブルクに本社機能を移転していることで知られています。

日本企業では、ファナック楽天などが欧州本社を置いています。

ただし、スカイプのような本社をルクセンブルクに完全移転させた企業は稀で、大半は欧州本社だとされています。


8 スウェーデン( GDP : 5110.0億ドル[世界第23位])
主要産業 機械工業、化学工業、林業、IT
輸出 機械、鉄道以外の輸送機器、電気機器、鉱物性燃料、紙・パルプ
輸入 機械、電気機器、鉄道以外の輸送機器、鉱物性燃料、プラスチック

西暦98年からローマの歴史家タキトゥスによって言及されていました。

首都ストックホルムは1523年から絶えることなくスウェーデンの首都機能を担っています。

GDPの約3分の1が貿易によって占められる貿易国家で

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.3%、第二次産業が26.03%、第三次産業が72.68%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目は、産業機械が約16%、自動車・自動車部品が約11%、電気機械が約11%、石油・鉱物性燃料が約6%、紙が約6%、医薬品が約5%。

そのあとに、鉄鋼、プラスチック、精密機械などが続きます。

主要な輸入品目は、産業機械が約13%、電気機器が約12%、自動車・自動車部品が約11%、石油・鉱物性燃料が約10%。

そのあとに、プラスチック、海産物、医薬品、鉄鋼、精密機械などが続きます。


スウェーデン第1次産業は、GDPの1.3%を占めています。

農業セクター

国土の8割が冷帯に属し、耕作可能な農地が国土の10分の1にも満たないため、穀物の栽培よりも畜産業が盛んです。

食料自給率も概ね80%を超えており、野菜類や果実類などの不足分を輸入に頼っていることを除けば、農業効率は高いといえます。

農作地が少ない分酪農が盛んで、農業生産の20%が酪農品によって占められています。

林業セクター

スウェーデンは国土に占める森林の割合が65%と高く、庶民のリクリエーションとして森林散策が定着しているほど自然に恵まれています。

約100年前に政府の発布した森林保護政策では、年間の森林伐採量を森林の回復量以下に抑えることが定められました。

そして持続可能な伐採が続けられた結果、今日の森林は1920年に比べて68%増加していることが報告されています。

しかしながら、林業の生産量は高く、伐採した木材を加工とする産業が成熟しています。

伐採された森林は木材や紙パルプ、製材、家具、プレハブ住宅などに加工されます。

紙、板紙の生産量は2012年で世界第5位のシェアを持ち、輸出の約6%を占めています。

漁業セクターは、

漁業がスウェーデン経済に占める割合は小さく、GDPの1%ほどに留まっています。

政府も持続可能な漁業を目指して、乱獲を防止する目的で漁業に規制を打ち出しており漁獲量も漁業従事者も減少傾向に向かっています。

しかしながら、食品加工の分野は発展しており、近隣のノルウェーアイスランドなどEU域外の国から原料となる魚の80%を輸入しています。


スウェーデンの第2次産業は、GDPの26.03%を占めています。

工業セクター

貿易立国スウェーデンの輸出収益の大半は、工業セクターの貢献に支えられています。

群を抜いて活発なのが工業収益の約半数を生み出す自動車産業です。知名度の高い自動車メーカーは、電気自動車の開発に積極的なボルボです。

その他の産業も幅広く発展しています。

首都のストックホルムでは、情報通信機器や水力発電プラントなどの電気産業が発展しています。

鉄鉱石の産地である北部では、鉄鋼業が栄えています。

森林の比率が高い南部では金属、プラスチック、ガラスなどの化学産業、西部では石油精製産業、製薬業、バイオテクノロジー産業の発展が著しいとされます。

食品加工や兵器産業の発展も進んでいます。

知名度の高い世界企業としては、兵器産業のSAAB(サーブ)、重火器メーカーのボフォース

家電大手のエレクトロラックス、工作機械のサンドビック、世界最大の家具チェーンのイケア、アパレルのH&Mなどがよく知られています。

建設セクター

建設部門は、スウェーデン経済の重要な役割を果たしています。

さらに2016年にスウェーデン政府より発表された「国家リフォームプロジェクト2016」の下で、

今後2020年までの間に大きな成長が予測されています。

このプロジェクトで目指されている目標のひとつに、鉄道、道路、基本インフラの再開発を伴うインフラの再整備が掲げられており、

政府プロジェクトの下で成長がほぼ約束されています。

主な建設業者としては、世界上位のシェアを持つスカンスカが知られています。

鉱業ククター

スウェーデンは鉱物資源に恵まれています。

歴史的に採掘が続いたため突出した資源はありませんが、

2014年の世界シェア第10位を占めた鉄鉱石をはじめ、金、銅、鉛、亜鉛、銀などの資源が採掘されています。


スウェーデンの第3次産業は、GDPの72.68%を占めています。

スウェーデン経済の特徴は、公務員数が多いことが知られています。

公的部門の人数は33%を超えており(日本は9.5%)労働者の3分の1が公的部門に従事していることが考えられます。

また高度福祉国家のため、福祉部門の多くが公的セクターに含まれています。

この福祉部門は、女性労働の受け皿となっており、スウェーデンが掲げる男女平等と高度福祉の理想を支える母体となっています。

サービス業として特筆すべきは、サービスの貿易の多さです。

ビジネスサービスや知識・技術の輸出が財の輸出を上回る数字を計上しています。

主な企業としては、電気通信事業のテリア、小売大手のICAなどが知られています。


その他の特徴

スウェーデンが持つ大企業のほとんどは多国籍企業としての実態を持っており

雇用においては、しばしば外国人をスウェーデン人に優先して雇うことがあります。

エネルギー部門は、石油経済からの脱却を目指しており、

自然エネルギーの利用比率を高める試みがなされています。

2014年に生産された電力の49.8%は、水力・風力・太陽光の自然エネルギーから作られました。

原子力発電に向けた取り組みもなされていますが、しばしば頓挫しているようです。


9 ポーランド ( GDP : 4693.2億ドル[世界第24位])
主要産業 食品、金属、自動車、電機電子機器、コークス・石油精製
輸出 機械機器類、輸送機器、食料品など
輸入 機械機器類、鉱物性燃料、金属製品

EUの東部ブロックに位置しており、2007年-2008年の世界経済不況の被害もEUで最も軽微で切り抜けたことで知られています。

その原因は経済開放直後で成長国としての条件を備えていたなど様々挙げられます。

しかし、非ユーロゾーン圏であったことも大きかったのではないでしょうか。

ポーランドは2004年からEUに加盟していますが、今日に至るまで共通通貨ユーロは導入していません。

経済成長も順調です。

2017年9月、イギリスのデータ関連会社のFTSEは、ポーランド経済が先進国投資により急成長を続けるエマージング経済から

先進国市場の状態に移行したとする報告を行っています。


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.41%、第二次産業が33.34%、第三次産業が64.25%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が約13%、電気機器が約12%、自動車・自動車部品が約11%、家具が約6%。

そのあとに、プラスチック、石油・鉱物性燃料、鉄鋼製品、船舶、ゴム、肉が続きます。

主要な輸入品目

産業機械が約13%、電気機器が約13%、自動車・自動車部品が約8%、石油・鉱物性燃料が約8%、プラスチックが約6%。

そのあとに、鉄鋼、医薬品、鉄鋼製品、船舶、精密機械が続きます。


ポーランド第1次産業は、GDPの2.41%を占めています。

農業セクター

75%の農家は10ヘクタール以下の小規模で農業を営んでおり、残りの25%が農地の72%を所有しています。

2011年の農作物の上位は、家畜の肉が約24%、穀物が約21%、牛乳が約15%となっています。

そのあとには、野菜が7%、ジャガイモが約6%と続いています。

野菜が輸出に占める割合は0.51%。輸入は0.35%、

肉類が輸出に占める割合は2.18%、輸入は0.80%となっています。

林業セクター

ポーランドの国土は30.6%が森林で覆われており、林業ポーランド経済の重要な位置を占めています。

林業GDPに占める割合は2%とされ、ポーランドの世界第4位の家具類の輸出を支えています。

繊維板の生産量はEU第1位、パーティクルボードの生産量は同2位と高いシェアを持っています。

伐採された木は、製材、家具、セルロース紙、木材産業で使用されます。

木材が輸出に占める割合は1.91%。輸入に占める割合は0.71%。

紙類が輸出に占める割合は1,90%、輸入に占める割合は2.12%となっています。


漁業セクター

ポーランドの漁獲量は少なく、魚介類が輸出に占める割合は0.65%に過ぎません。

対して魚の輸入量は0.87%となっており、食品加工品の原料となる魚が盛んに輸入されていることが分かります。

ポーランドの第2次産業は、GDPの33.34%を占めています。

工業セクター

工業セクターがGDPの25%を占めています。

自動車産業ポーランドの工業生産の11%、GDPの約4%を占めています。

自動車産業の主力は軽量車で、中東欧地域ではチェコに次ぎ第2位のシェアを持っています。

輸出の8%を占める自動車産業は、外資企業が主導しています。

フィアットオペルフォルクスワーゲン、MAN、ボルボスカニアなどの外資企業がポーランドに工場を設置しており、

日本企業ではトヨタも進出しています。

国産のポーランド企業は、主にバス、高速バス、路面電車などを手がけるネヴァグ、ペサ、ソラリス、イェルチ社が有名です。

その他にもEUの「工場」として、多岐にわたる工業製品が生産されています。

パーソナルコンピュータやテレビなどの情報家電の生産が盛んで、電気機器は輸出の12.24%を占めます。

ヨーロッパのテレビ生産の3割をポーランドが占めています。

建設セクター

建設セクターはGDPの約7%を占めます。

鉱業ククター

ポーランドは資源が豊富であり、石炭を中心として多種多様の非鉄金属に恵まれています。

石炭の生産量は2016年で世界第9位です。

琥珀の生産は、世界全体の約80%を占めており、琥珀製品の製造業がダグンスク市に集中しています。

その他の非金属類では、レモン石、カオリナイト、ギプス、チョーク、大理石などの採掘も行われています。

なお金属類では、世界第8位の銀(2014)をはじめ、亜鉛、鉛、銅など一定の資源に恵まれています。


ポーランドの第3次産業は、GDPの64.25%を占めています。

経済の発展パターンをたどり、ポーランドのサービス産業は年々その比率を高めています。

特に、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)に代表されるビジネスサービスの成長が著しく、

2011年には、中東欧地域におけるビジネスサービスの38%をポーランドが占めています。


その他の特徴

電力生産の大半は化石燃料に依存しています。

ユーロ目標に従い、2020年までに再生可能エネルギーの比率を15%まで高めることが目指されています。


10 ベルギー( GDP : 4665.6億ドル[世界第25位])
主要産業 化学工業、機械工業、金属工業、食品加工業
輸出 鉱物油関連製品、医薬品、自動車・関連部品など
輸入 鉱物油関連製品、自動車・関連部品、医薬品など

オランダと隣接し外洋に面する地理条件から貿易が盛んです。

貿易依存度の高さが特徴で、輸出依存度と輸入依存度はそれぞれ87.1%と81.1%に達します。

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.74%、第二次産業が22.25%、第三次産業が77.01%となっています。(2016)



globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

医薬品が約11%、自動車・自動車部品が約10%、石油・鉱物性燃料が約8%、有機化学品が約8%、産業機械が約7%、プラスチックが約7%。

そのあとに、宝石・金属類、精密機械、鉄鋼、電気機器が続きます。

主要な輸入品目

石油・鉱物性燃料が約12%、自動車・自動車部品が約11%、医薬品が約10%、有機化学品が約9%、産業機械が約8%。

そのあとに、宝石・金属類、電気機器、プラスチック、精密機械、鉄鋼が続きます。


ベルギーの第1次産業は、GDPの0.74%を占めています。

農業セクター

農地面積が国土の4分の1しかなく、発展は限定的な範囲に収まっています。

穀物が輸出に占める割合は0.15%に過ぎません。

農業生産の3分の2が酪農及び家畜関連製品です。

肉類は輸出の0.86%を占めています。

林業セクター

林業の発展も小規模に収まっています。木材が輸出に占める割合は0.63%に過ぎません。

紙パルプの輸出も0.19%とわずかな数字に留まっています。

漁業セクター

漁業の発展も小規模に収まっています。

漁獲量の大半は国内で消費されており、輸出に占める割合は0.20%に過ぎません。


ベルギーの第2次産業は、GDPの22.25%を占めています。

工業セクター

製造業がGDPの約6分の1を占めています。

主要な産業は、冶金、鉄鋼、繊維、化学産業、ガラス、製紙、自動車産業、食品加工の発展が顕著です。

輸出の盛んな工業製品としては、医薬品(輸出の約11%)、自動車・自動車部品(約10%)、石油製品(約8%)、有機化学品(約8%)、産業機械(約7%)、プラスチック(約7%)、宝石・金属類(約4%)、精密機械(約3%)、鉄鋼(約3%)、電気機器(約3%)が挙げられます。

これらは輸出の上位10位にも該当し、加工貿易を中心とするベルギーの盛んな工業を裏付けています。

建設セクター

建設セクターはGDPの約5.4%を占めています。

欧州債務危機の余波を受け2012年から2013年にかけて不調に陥っていましたが、

景気も持ち直しと建設プロジェクトに支えられて2013年を機転に緩やかな回復を続けています。

鉱業ククター

かつては、石炭や鉄鉱石、亜鉛などの豊富な資源に恵まれていましたが、

国内での採掘はすでに停止しています。

輸入した原料品を加工するスタイルが定着しており、鉱物資源を含めた原料品の輸入が盛んに行われています。


ベルギーの第3次産業は、GDPの77.01%を占めています。

金融、ビジネスサポートの分野で外国投資が集まっており、

ユーロネクストに加わったブリュッセル証券取引所は、ユーロネクストブリュッセルと呼ばれています。

観光業は主にフランドル地方で発展しており、EU圏を中心に広く旅行者を受け入れています。


その他の特徴

ベルギーの首都ブリュッセルには、欧州連合の主要機関が集中しており、「EUの首都」とも呼ばれています。

主要機関としては、欧州委員会欧州連合理事会が置かれており、

こうした機関との連携が取りやすいことから近年では欧州議会の活動もブリュッセルで行われるようになってきています。

また北大西洋条約機構(NOTO)の本部もブリュッセルに置かれています。


隣国のルクセンブルクには、欧州投資銀行やユーロスタット、欧州会計監査員などが置かれ

欧州金融の中心地となっていたことを考えれば

ベルギーは欧州連合の政治の中心地といえるかもしれません。


11 オーストリア( GDP : 3865.9億ドル[世界第29位])
主要産業 農林水産業、鉱業、製造業、建設業、卸売・小売業、運輸・通信業、金融・保険業、専門職・科学・技術サービスなど
輸出 鉄鉱石、石炭、個人旅行サービス
輸入 個人旅行サービス、乗用車、精製油


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.27%、第二次産業が28%、第三次産業が70.73%となっています。(2016)


globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が約19%、電気機器が約11%、自動車・自動車部品が約9%、医薬品が約6%。

そのあとに、プラスチック、鉄鋼、鉄鋼製品、紙類、木材、精密機械が続きます。

主要な輸入品目

産業機械が約13%、自動車・自動車・自動車部品が約10%、電気機器が約10%、石油・石油製品が約8%。

そのあとに、プラスチック、医薬品、有機化学品、鉄鋼製品、精密機械、鉄鋼、宝石・金属類が続きます。


オーストリア第1次産業は、GDPの1.27%を占めています。

農業セクター

国土の62%がアルプスにあるため、耕作可能な農地が国土の約半分程度しかありません。

そのため、農業就労人口も少なく、GDPへの貢献もわずかです。

穀物が輸出に占める割合も0.28%と小さく、野菜も0.10%に過ぎません。

肉類と乳製品は、それぞれ輸出の0.82%と0.91%を占めており

植物・穀物栽培に比べると畜産が盛んであることが分かります。

林業セクター

オーストリアの国土の47.6%は森林に占められています。

森林の豊富さから林業は伝統産業として根付いており、林業のみならず貿易、観光など様々な産業の柱となっています。

約30万人のオーストリア人が直接的あるいは間接的に利益を得ているとされ、

林業の経済的、社会生活的重要性を理解して、植林の禁止などにより人工の影響を極小化するなど、

林業の持続可能性を保つための試みが官民一体で取られています。

林業が生産した財が輸出に占める割合は、

紙類が3.17%(輸出品目の第8位)木材が2.91%(同9位)と高い比率を占めています。


漁業セクター

オーストリアは、他国に囲まれた内陸の国であるため、

魚の供給は近隣のドイツ、オランダ、デンマーク、イタリア、フランスといった国々からの輸入に頼らなければなりません。

魚介類など水産食品の輸出は全輸出の0.02%に留まる一方で、

輸入は全輸入の0.20%ほどを占めています。


オーストリアの第2次産業は、GDPの28%を占めています。

工業セクター

オーストリアの工業は、

そのほとんどが、第二次産業革命で発展した鉄鋼、機械、化学、石油などの重化学工業の分野にとどまっています。

しかしながら、オーストリア製品は、サービスや品質の高さで国際市場での信頼を勝ち取っており、国際社会から高い評価を得ています。

輸出に占める割合の大きい工業製品としては、

産業機械(18.54%)、電気機器(10.72%)、自動車・自動車部品(9.43%)、医薬品(5.58%)、プラスチック(4.71%)、鉄鋼(4.20%)、鉄鋼製材(3.35%)、精密機械(2.78%)、アルミニウム(2.66%)、石油・鉱物性燃料(1.97%)、有機化学品(1.61%)

が挙げられます。

またこのうち先頭から7番目までは輸出品目の上位7位と一致しており、その合計は輸出の56.53%を占めます。

GDPの28%が工業由来であることを含め、オーストリアの工業セクターの活発さを示す数字だと言えます。

中でも輸出の18.54%を占める産業機械は突出していますが、

これはオーストリアの技術力を背景に再生エネルギーの発電所、化学プラント、製鋼所、パイプラインなどの受注が

欧米圏から広く集まっているためです。

建設セクター

オーストリアが持つ伝統的な技術や優れたイノベーションは国際的な競争力を形成しています。

優れた建設や高い技術を持った人材を評価して海外市場からの受注が降りることも少なくありません。

実際、オーストリア最大の建設業者であるSTRABAGは、世界の空港や鉄道の建設を手掛けており、

その売り上げの約25%はEU市場からのものです。

また、線路工事メーカーのプラッサー&トイラーの製品は2010年時点で世界104カ国に輸出されており、

日本の私鉄をはじめ公共公団とも深い関わりを持っています。

他にも、voestalpine Schienen GmbH や voestalpine VAE GmbHなど世界的なシェアを持つ企業を持っています。

統計的にもオーストリアの建設業の強さは表れており

世界の鉄道敷設にオーストリアが占める割合は、globalEDGEが集計した129カ国のうち世界で第3位のシェアを持っています。(3.72%)


鉱業セクター

鉱物資源は世界第28位のシェアを持つ鉄鉱石以外には大きなシェアを持つ資源は見当たりません。

また、貿易統計を見ても

宝石・金属類は、輸出の0.92%に過ぎないのに対して輸入の2.22%を占めています。

また同じように石油・鉱物資源は輸出の1.97%に対して輸入の7.90%を占めています。

このことからも、石油・鉱物資源は、産業需要分を含めた国内需要を輸入に依存していることが分かります。


オーストリアの第3次産業は、GDPの70.73%を占めています。

サービス産業は、人口の約3分の2が従事しておりGDPの約70%を占めています。

しかしサービス業の発展は産業の近代化によって進んだものではありません。

サービス部門のほとんどは国営によって営まれており、政府の介入を多く残した構造となっています。

劇場、オーケストラ、オペラ、運輸通信、病院、老人ホームといった領域が国に所有されており、

付加価値を生む事業は、海外でのサービス提供を行う金融や観光業程度に限られています。

観光業も重要なセクターです。

首都ウィーンは、多くの作曲家を輩出した音楽を中心に文化が栄えた歴史を持ち、「音楽の都」とも呼ばれています。

そうした魅力的な歴史背景が評価され、世界中から集まる観光客の数は少なくありません。

2016年には世界第11位、2800万人もの観光客数を受け入れました。

これはオーストリアの人口の3倍を超える数字です。

この観光業がGDPにもたらす貢献は10%近い数字にのぼります。


その他の特徴

1978年に原子力発電を導入するプランが浮上しましたが、国民の強い反対で破棄に持ち込まれました。

その後国会を通過した法案によって原子力発電は法律で禁止されており、

現在ではオーストリアの電力の約3分の1が再生可能エネルギーによって生産されています。


12 デンマーク( GDP : 3067.3億ドル[世界第35位])
主要産業 流通・小売り、畜産・農業、運輸、エネルギー
輸出 機械、医薬品、豚肉、原油
輸入 石油、自動車・関連部品、医薬品


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が1.36%、第二次産業が23.67%、第三次産業が74.97%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が14%、医薬品が約12%、電気機械が約9%、石油・鉱物性燃料が約6%です。

そのあとに、精密機械、肉類、家具類、鉄鋼製材、プラスチック、海産品が続きます。

主要な輸入品目

産業機械が約12%、電気機械が約10%、自動車・自動車部品が約8%、石油・鉱物性燃料が約7%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、精密機械、鉄鋼製材、アパレル、家具類が続きます。


デンマーク第1次産業は、1.36%を占めています。

農業セクター

デンマークの土地はたいへん肥沃なことで知られています。

国土の広い範囲で肥沃であり、国土の約半分が農地として利用されています。

小麦粉・穀物が輸出に占める割合は1.23%を占めています。

また、主要な輸出品目である毛皮や肉類を生み出す畜産業も盛んです。

輸出に占める肉類の割合は3.77%、乳製品は2.41%、家畜は1.07%といずれも高い割合を占めており、

重要な外貨獲得手段となっていることが分かります。

特に飼育の盛んな豚肉はデンマークの伝統産業として根付いており、国土の狭さにも関わらずドイツ、アメリカに次ぐ世界第3位の輸出量を記録しています。(2012)

林業セクター

森林がデンマークの国土に占める割合は約11%に過ぎません。

また政府もプロジェクトによって森林保護の姿勢を打ち出しているため、林業はあまり盛んではないようです。

輸出に占める木材の割合は0.80%ほどに過ぎません。


漁業セクター

漁業セクターも活発です。

北海に面した地理的特性を活かして漁業が活発に行われており、

海産物の輸出が総輸出の2.42%を占めるとおり、捕獲した魚の多くが海外に輸出されています。


デンマークの第2次産業は、23.67%を占めています。

工業セクター

重工業分野というよりも軽工業、また知的産業の発達が顕著です。

重要なセクターは、製薬業界、食品加工、履物産業、毛皮産業などです。

また、製薬企業のノボ ノルディスクは2016年で世界第17位の売上高を残しており、

その他にも高級オーディオメーカーのバング&オルフセン、知育玩具のレゴ、陶磁器のロイヤルコペンハーゲン、靴メーカーのエコー、ミニバラのポールセンローズなどの世界的企業がデンマークから生まれています。


建設セクター

建設セクターは、GDPの5%程度を占めています。

市場の概況としては、外資系建設企業の参入の不足から、成長が低止まりしており

生産性の低さと労働コストの高さの問題を抱えています。

しかしながら、今後の成長に向けた余地が残されているといえるでしょう。

鉱業ククター

デンマークは資源に乏しい国で、鉱業セクターの発展も小規模なものに収まっています。

金属類の資源には乏しい一方で、チョークやリモナイト、粘土、珪藻土などの非金属資源は一定量が採掘されていますが、

他の国と比べてもわずかな量です。

北海に面するため石油と天然ガスの埋蔵を持ちますが、埋蔵量はそれぞれ世界第46位と第51位。

生産量もそれぞれ世界第40位と第45位と大きくありません。


デンマークの第3次産業は、74.97%を占めています。

重税国家のため、経済の大部分を公共セクターが占めるとされます。

隣国のスウェーデン(33%)には届かないものの、公務員の割合は30%近い割合に達します。

特筆すべきは、海運業の売り上げで2016年の世界第1位記録した海運企業のA.P.モラー・マークスが挙げられます。

そのシェアは世界の16.6%にものぼり、海運事業の他にも造船、石油・ガスの採掘などでも活躍しています。

観光セクターも成長を見せていますが、厳しい気候のため来客も夏季に集中しており、成長には限界があります。

その他の特徴

風力発電の導入が進んだ国で、風車を使った風力発電からの電力供給が2015年の国内消費電力の42%を占めています。

電力の節約のため電気料金に諸外国に比べると重い税金がかけられており、

電力消費量も世界60位とブルガリアやモロッコと変わらない量に抑えられています。

ちなみにデンマークの税率は世界一重いとされ、デンマーク所得税は37.4%から63%の累進課税となっているようです。(その代わり公共セクターも世界最大規模に大きいとされる。)

しかしながら高度福祉国家のため市民の生活満足度は高く、国連世界幸福度報告では第1位でした。


13 アイルランド ( GDP : 3044.3億ドル[世界第37位])
主要産業 金融、製薬、食品・飲料
輸出 化学薬品、機械、自動車
輸入 機械、自動車、化学薬品

各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が0.97%、第二次産業が41.52%、第三次産業が57.51%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

医薬品が約26%、有機化学品が約20%、精密機械が約10%、化粧品が約7%、産業機械が約6%。

そのあとに、飛行機、電気機器、化学製品、肉類、穀物・小麦粉が続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

飛行機が約17%、産業機械が約12%、石油・鉱物性燃料が約7%、医薬品が約7%、有機化学品が約6%、電気機器が約6%、自動車・自動車部品が約5%。

そのあとに、精密機械、プラスチック、化粧品が続きます。(比率5%以下)


アイルランド第1次産業は、GDPの0.97%を占めています。

農業セクター

かつてはアイルランド経済の主力でしたが、今日では工業化により農業の重要性は低下しています。

しかしながら労働人口の約8.6%が農業従事者にあたり、

国土の大半は放牧地か家畜用の干し草を育てる土地になっています。

気候と豊かな草原に支えられて家畜を一年中牧草地に置いておくことが可能です。

畜産品が輸出に占める割合は、肉類が2.44%、乳製品が1.58%となっています。

穀物・小麦粉が輸出に占める割合も1.90%と低くありません。

またサラブレッドも産業化されており、アイルランド産の血統を持つ馬は世界中で高い評価を得ています。

林業セクター

林業セクターがGDPに占める割合は1%です。

アイルランドが1922年に英国から独立した時、国土に占める森林の割合はわずか1%未満に過ぎませんでした。

しかし、第二次世界大戦の頃から政府による植林事業が進められ、森林の割合は約8倍に増加しました。

20世紀を通して植林活動は続けられ、2016年の時点で国土に占める森林の割合は10.7%に達しています。

しかしながら、林業製品が輸出に占める割合は小さく、

木材が全輸出の0.35%、紙類が0.16%に留まっています。

漁業セクター

漁業セクターは政府により振興が図られており、現在はGDPに対する貢献の小さな漁業セクターを

2030年までにGDPの2.4%まで高めることが目指されています。

しかし、アイルランドの近海は大変魚に恵まれており気候条件も漁業に適しているものの、

豊かな収穫条件が災いして歴史的に他国の漁船の参入が多く、限られた魚を分け合う形となっています。

そのため近年は養殖の育成が進められています。

海産物が輸出に占める割合は0.45%と小規模です。

しかし、輸出に占める割合も0.23%と小さいため、国内消費分を充足させることはできているようです。


アイルランドの第2次産業は、GDPの41.52%を占めています。

工業セクター

1922年の独立から1958年の自由主義の導入まで、アイルランド経済は低成長にあえいでいました。
しかし、1958年の自由主義導入、1987年の共和党による経済改革を通してアイルランドの経済は上昇の恩恵を享受することになります。

共和党が行った公的セクターの削減、軽減税率(1990年代を通して10~12%)の導入、人的資本の育成と競争の促進。

こうした条件にEU市場へのアクセスのしやすさや人件費の安さが加わるアイルランドは、海外資本にとって魅力的な拠点に映ったのです。

1989年のインテルの投資を契機に、アメリカを代表するハイテク企業であるマイクロソフト、グーグルなどの参入が相次ぎます。

同じくアメリカのコンピュータ企業であるデル、ヒューレット・パッカードシマンテック、アップルなどもアイルランド国内に工場を設立しています。

ケルトの虎」と呼ばれたこの時期のアイルランド経済は、

1995年から2000年にかけて経済成長率平均9.4%、2000年から2008年にかけて経済成長率平均5.9%の好景気に沸きました。

こうした外資による直接投資がアイルランド経済の土台を牽引していることは現在も変わりありません。

製薬業は、特に外資系企業の参入が激しく、世界の製薬企業の上位10社のうち9社がアイルランド国内にプラントを製造しています。

医薬品がアイルランドの輸出に占める割合は25.55%に達し、EU圏内では輸出の50%を超えています。

情報通信業もまた、外資の貢献が大きく、国産企業の売り上げは全体の約6分の1に過ぎません。

パソコンや周辺機器などのハードウェアおよびゲームやソフトウェアなどのソフトウェアの輸出が全輸出に占める割合は、約3分の1に達するとされます。

その他の輸出に占める割合が高い品目は、全輸出の20.43%を占める有機化学品、10.4%を占める精密機械、7.06%を占める化粧品などがあります。


建設セクター

建設業界は、相次ぐ投資マネーの流入による不動産バブルとその崩壊の現場となりました。

2008年-2013年の銀行の不良債権問題の時期は、バブルから一転して大きく後退したものの

IMFとEUの協力もあり、2013年には不況から脱却。

2007年のバブル期に比べると売り上げは半分程度に落ちたにせよ、2015年には景気回復に支えられて年15%の成長を遂げています。

熟練技術者の不足など、外資主導で成長を遂げた国に特有の問題を抱えていますが、逆にまだ成長の余地があるといえるでしょう。

THE IRISH TIMES発表の企業ランキングでは、

国産建設企業のCRHが

第2位のMedtronic Plc(製薬)、第3位のGoogle(情報通信)を押しのけて第1位にランクインしています。

鉱業ククター

アイルランド亜鉛(2015 : 世界第11位)と鉛(2015 : 世界第16位)が豊富です。

wikipedia等にはEUへの輸出が盛んだと記載されていますが、

globalEDGE(https://globaledge.msu.edu/countries/ireland/tradestats)記載の貿易統計では、

亜鉛と鉛が輸出に占める割合は、それぞれ0.00%(0.01%未満)と0.03%にわずかな数値に留まっています。


アイルランドの第3次産業は、GDPの57.51%を占めています。

金融からホテル業まで広域に含むサービス業に、アイルランド人口の約75%が従事しています。

GDPへの貢献は57.51%。

他の西欧圏の国々が概ね70%台の割り当てがある中で、

[スペイン(74.08%)、オランダ(78.5%)、スウェーデン(72.68%)、ポーランド(64.25%)、ベルギー(77.01%)、オーストリア(70.73%)、デンマーク(74.97%)]

外資による工業化で発展したアイルランドは、GDPに対する第3次産業の貢献が57.51%と小さいことが特徴になっています。

しかしながら、製薬業界や情報通信事業の進出は、製品の製造だけでなく、

研究やイノベーション事業、マーケティングなどサービス産業にも幅広い雇用を提供してきたことは見逃せません。

その他の特徴

2008年を機に深刻なバブル崩壊を経験したアイルランドですが、

危機を脱した2013年から2年後の2015年の経済成長率はなんと異例の26.3%となっています。

背景にあるのは英国のEU離脱です。

英国がEUを離脱すれば英国を拠点とする企業はEU市場内での無関税の恩恵を得られなくなります。

特に、EU圏内での無関税メリットを狙って英国に進出した外資系企業は、EUにい続ける合理性を失います。

そこでEU圏に属する新しい拠点を探すことになりますが、

受け皿となったのが、英国のほぼ真西に位置して法人税(12.5%)も所得税も低いアイルランドだったのです。

こうしてアイルランドは英国に代わる外資系企業の受け皿として経済成長26.3%を達成したのです。

英国といえばロンドンという大金融都市を持つ国ですから、今後はアイルランドの金融業も成長が見られるかもしれません。


14 フィンランド( GDP : 2386.0億ドル[世界第44位])
主要産業 紙・パルプ等、金属、機械、電気・電子機器、情報通信
輸出 機械、紙製品、石油精製品等、鉄鋼
輸入 車両・機械、石油精製品等、金属・鉱石


各産業がGDPに占める割合は、第一次産業が2.48%、第二次産業が26.92%、第三次産業が70.6%となっています。(2016)

globalEDGE https://globaledge.msu.edu/countries/spain/tradestatsによると、

主要な輸出品目

産業機械が約14%、紙類が約14%、電気機器が約9%、鉄鋼が約7%、石油・鉱物性燃料が約7%、自動車・部品が約6%。

そのあとに、木材、精密機械、プラスチック、紙パルプが続きます。(比率5%以下)

主要な輸入品目

石油・鉱物性燃料が約14%、産業機械が約12%、電気機器が約10%、自動車・自動車部品が約8%。

そのあとに、医薬品、プラスチック、鉄鋼、鉱石、精密機械、鉄鋼製材が続きます。(比率5%以下)


フィンランド第1次産業は、GDPの2.48%を占めています。

農業セクター

フィンランドは農作には適していません。

冬の期間が長く耕作可能な時期が短いばかりか土地も痩せており、細かな手入れと農業インフラの整備なしでは満足な生産は望めません。

そのため、穀物栽培がフィンランド経済に占める重要性は小さく、穀物は全輸出の0.27%、穀物・小麦粉類は同0.16%に留まっています。

穀物栽培に比べると活発なのが畜産業セクターです。

自給自足的な供給構造となっているため、畜産品が輸出に占める割合は、肉類が0.20%、乳製品が0.02%と小規模に留まっています。
最も盛んなのは毛皮の輸出で、狐やミンクから取った毛皮が国際市場で高い評価を得ています。(globalEDGEが集計した129カ国の輸出のうち第4位の6.22%を占める。)

毛皮が輸出に占める割合は1.16%と比較的高い数字になっています。

林業セクター

フィンランドが持つ湿潤な気候と土地の条件は木の成長に理想的だとされます。

フィンランドの国土の約76%が森林に覆われており、歴史的にフィンランド人の暮らしを支えてきました。

フィリピンで最も重要な資源とされる森林は、財の源泉としてフィンランド経済に重要な役割を果たしています。

貿易統計を見ても、

林業セクターが輸出に占める割合は、紙類が13.51%、木材が4.60%、紙パルプが約3.36%といずれも大きな数字になっています。

また、林業で伐採された木材は、木材加工のために製造業、製紙のために化学産業に運ばれ、工業部門を支えています。

こうして出来上がった木材、紙パルプ、紙類が生み出す財の合計は、全工業生産の約18%、輸出総額の約20%にものぼり、

林業フィンランド経済を支える重要なセクターであることが読み取れます。

漁業セクター

フィンランドは長大な海岸線を持つにも関わらず漁業人口に乏しく、漁業の発展は著しく遅れています。

漁業人口もおよそ3500人ほどに過ぎず、GDPに対する漁業の貢献はわずか0.2%です。

海産物が輸出に占める割合も、0.05%と小さく、一方輸入に対しては0.44%の比重を持っています。


フィンランドの第2次産業は、GDPの26.92%を占めています。

工業セクター

北半球の高緯度に位置する寒冷な自然条件を抱えながら

フィンランドの経済は高度化が進んでおり、

GDPの約3分の1が製造業から生産されています。

産業構造は、地理条件から工業化の遅れがみられたものの、他先進国と同様に製造業のアウトソーシングが進んでおり

国内企業はハイテク産業や電子産業、化学産業の比重が高くなっています。

この分野における主要な品目は、

医療機器や工場設備など輸出の13.60%を占める産業設備、

ノキアの通信機器等をはじめ輸出の8.52%を占める電気機器、

同じく輸出の6.76%を占める石油製品などがあります。

また製造業は、輸入した原料に付加価値を加えて再輸出する加工貿易が主流となっており、

溶接された銅管や鉄管、メッキした鉄板のような完成品も製造されています。

輸出では、6.78%を占める鉄鋼、1.93%を占める銅製品などがあります。

特に銅の輸出は、globalEDGEが集計した129カ国の輸出のうち、4.08%のシェアを持っています。(世界第10位)

しかしながら、国内の銅の採掘量は微量であり(世界第31位)、外国からの輸入も世界全体の0.07%ほどを取り寄せているに過ぎません。

それでも輸出では世界屈指のシェアを持っているのですから、いかにフィンランド企業が原材料に高い付加価値を与えているのかが伺えます。





その他には、輸出の1.41%を占める船舶の製造も盛んです。(129カ国では22位と国際貿易のシェアは大きくない)

建設セクター

建設セクターは、2015年のGDPの約12%に寄与したとされます。

これは他のヨーロッパ諸国と比べても高い数字です。

2012年から2014年の期間は、欧州債務危機の余波を受けて下降したものの、

2015年に始まった政府の成長プロジェクトのもとで、建設市場は新築ブームに沸いており市場は活況を呈しています。

特に、再生可能エネルギー関連の建設が活発です。

鉱業ククター

フィンランドは、寒冷な気候や加工貿易の重要性から高い電力需要を持ちます。

にもかかわらず、国内からは石炭や石油の産出がないため、エネルギー資源の需要の大半は輸入で満たしています。

石油・鉱物性燃料が輸入の総額に占める割合は13.76%と、品目の中で最も大きな数字となっています。

一方で鉱物資源は、世界第5位の生産量を持つクロム、同12位のニッケル、同17位のコバルト、同30位の亜鉛など世界的に多産な目立ちます。

こうした産出量の多い鉱物資源は、いずれもメッキや合金の材料に適した性質をもつため、フィンランドの盛んな金属加工業を支えているものと思われます。


フィンランドの第3次産業は、GDPの70.62%を占めています。

フィンランドは隣国のスウェーデンと違って公的セクターの重要性が低く、公務員の割合も20%ほどに過ぎません(日本は9.5%)。

GDPの約70%を占めるサービス産業のうち、民間のサービスセクターからの生産が全GDPの50%を占めるとする統計もあります。

サービス業の約65%は、民間セクターによって提供されているとされ、

卸売や小売、健康、社会サービス、宿泊、輸送、情報通信などが含まれます。

残りの約35%は、自治体や国の公務員です。

サービス産業のデジタル化が進められており、高度な福祉サービスと教育サービスを柱とした環境業の奨励も行われています。

その他の特徴

フィンランドはエネルギー需要の高い国です。

北半球の高緯度に位置するため冬は厳しい寒さに見舞われ、暖かい空気の確保のための電力消費が欠かせません。

また国家の経済は工業分野に依存しているため、工場の稼働に大きな電力需要が生じます。

こうした電力需要に対し、フィンランドはその全てを自給で満たすことができていません。

石油資源に乏しいため、エネルギーの約20%は輸入に依存しています。

現在のエネルギー供給は、原子力発電が約25%、水力発電が16%となっていますが、

エネルギー自給を高める差し迫った必要性から原子炉増設に向けた動きが進みつつあるようです。

政府の教育と研究に対する高い支出を背景に国民の知的水準は高く、一人当たりの特許数で世界最上位を記録しています。