オッサンズ・オブリージュ

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

中国の地域ブロック 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

東アジア地域包括的経済連携は、RCEPと略称され、

インドから東南アジア、オセアニア、東アジアの国々によって構成されます。

RCEPには2017年10月現在、

日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドASEAN(インドネシアシンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ブルネイベトナムミャンマーラオスカンボジア)の16カ国が加盟しています。

ヨーロッパのEU、南米のCELAC、旧共産圏のEAU、アフリカのAUと異なるのは、

加盟国の大部分が陸続きに接しておらず、海で隔てられて広域に分散していることです。

そのため、加盟国の文化、気候・地理的条件などはバラバラであり、

そのために貿易品目の比較優位性も類似性が少なく補完的であることが予測されます。



1 日本(GDP : 4兆9386.4億ドル[世界第3位])

主要産業 : 自動車、電子機器、工作機械、鉄鋼、非鉄金属、船舶、化学品、繊維製品
輸出 : 自動車(16.2%)、半導体など電子部品(5.2%)、自動車部品(4.9%)、鉄鋼(4.1%)、原動機(3.5%)
輸入 : 原油(8.4%)、液化天然ガス(5.0%)、衣類(4.5%)、医薬品(4.2%)、通信機(4.1%)、通信機(4.1%)、半導体等電子部品(3.8%)

2011年の東大震災の余波を受けて2011年〜2015年の間は、貿易赤字が続きました。
しかし、2016年には再び貿易黒字を回復しています。

サウジアラビアやロシアからのエネルギー資源輸入が目立ちます。

輸出の主力はやはり自動車で16.2%を占めています。
それ以外は、中国や韓国などの企業に対して製品の部品を提供しているようです。
輸入は、エネルギー資源が目立ちますが、現有はサウジアラビアアラブ首長国連邦など中東の国から、
都市ガスなどの原料となる天然ガスは、オーストラリアやマレーシア、中東、ロシアなどから輸入しているようです。

また、医薬品の輸入が貿易赤字を形成する大きな要因となっていることはあまり語られない事実です。


2 中国(GDP : 11兆2182.8億ドル[世界第2位])

主要産業 : 第一次産業(8.6%)、第二次産業(39.8%)、第三次産業(51.6%)
輸出 : 加工品(94.3%)、農産品(3.2%)、燃料・鉱物製品(2.4%)
輸入 : 加工品(64.4%)、燃料・鉱物製品(21.3%)、農産品(9.5%)

中国の農業生産高は世界第1位です。穀物自給率も100%であり、海外に向けて輸出も行われています。
世界1位の農産品としては、米、じゃがいも、とうもろこし、きび、大麦、ピーナッツ、茶、豚肉などがあります。

工業生産高も世界第1位です。
繊維産業や食品加工業といった軽工業から、石油化学関連、兵器、自動車などの重工業まで盛んです。

粗鋼の生産量も世界1位だとされます。

しかしながら外資企業が中国の輸出の45%を生産しているともいわれ、外資依存の傾向は見逃せません。

中国の輸出が外資に支えられている以上、工業力の源泉は中国の外にあると見た方が賢明かもしれません。

それを知ってか中国企業も先進国企業に向けて買収攻勢をかけています。


3 インド(GDP : 2兆2564億ドル[世界第7位])

主要産業 : 農業、工業、鉱業、IT産業
輸出 : 石油(19.2%)、加工済み宝飾品(13%)、輸送機器(4.6%)、機械部品(4.3%)、有機化学製品(3.8%)、医薬品(3.7%)
輸入 : 原油(38.3%)、貴金属(13%)、機械製品33(6.9%)、機械部品(6.7%)、有機化学製品(4%)、プラスチック(2.6%)、鉄鋼(2.5%)

南アジア地域協力連合(SAARC)の中心国であるインドは、慢性的な経常赤字に陥っています。

毎年、前年比較での赤字幅は縮小されているものの、2015年で-1376億ドルもの貿易赤字が発生しています。

現状は外国からの資金流入によって埋め合わせていますが、外資が撤退した場合の懸念は高まります。

とはいえ、外資導入の成果は順調です。

輸送機械産業の伸びも著しく、自動車生産台数は1994年の24.5万台から2011年には393万台で世界第6位に上り詰めました。

造船や航空も成長の兆しを見せています。

また石油製品においても、巨大な国内需要を上回る生産力を有し、海外への輸出も行っています。

製薬産業や繊維産業も世界トップクラスです。

またIT産業を中心に高度人材の育成にも成功しています。


4 韓国(GDP : 1兆4112.5億ドル[世界第11位])

主要産業 : 電気・電子機器、自動車、鉄鋼、石油化学、造船
輸出 : 半導体(25.8%)、石油製品(23.8%)、乗用車(21.9%)、船舶(16.8%)、液晶製品(11.7%)
輸入 : エネルギー資源(20.1%)、集積回路など機器・部品(18.5%)、機械(11.3%)

資源を持たない韓国は、輸入した原料に付加価値をつけて輸出する戦略しかとれません。

GDPの76.5%を財閥10社が売り上げる財閥依存、外国人株主比率が大手輸出企業の5割、銀行の8割という外国人による産業支配、格差の増大など韓国経済は深刻な問題を抱えています。

しかしながら、外国人技術者のヘッドハンティング等を通して、世界で戦える輸出企業を育てることには成功しているようです。

日本からの技術支援で発展したため産業構造が日本と大変似通っています。

中小企業への支援が不十分で育成に課題が残ります。

そのため、主力となる機械製品を作るのに必要な集積回路や機械部品の大半を日本からの輸入に依存しています。


5 オーストラリア(GDP : 1兆2589.8億ドル[世界第13位])

主要産業 : 鉱業(9.5%)、金融・保険業(9.5%)、卸売・小売業(9.1%)、建設業(8.3%)、運輸・通信業(8.0%)、製造業(6.3%)
輸出 : 鉄鉱石(15.5%)、石炭(11.7%)、個人旅行サービス(5.9%)
輸入 : 個人旅行サービス(7.6%)、乗用車(5.8%)、精製油(5.2%)

第一次産業が2.2%と小さく、第二次産業も26.9%と高めです。

しかし、輸出品目に並ぶのは鉄鉱石や石炭、牛肉(世界一位)、小麦などの一次産品が目立ち、資源依存の構造が見えます。

工業製品に関しては、オーストラリアは自国市場の小ささから、製造業の育成を諦めています。

自動車にかかる輸入関税も低く、自動車需要を輸入で補う方針です。

かつてはフォルクスワーゲン、日産、トヨタGM、フォードなど世界の自動車大手が進出して現地製造を行っていましたが、

輸入関税の引き下げや豪ドルの高騰を理由にいずれも撤退しています。

石炭や鉄鉱石などの地下資源に恵まれる一方で、石油及び石油製品は80%を輸入に依存しています。

1983年に発効された自由貿易協定により、ニュージーランド経済との一体化が進んでいます。


6 ニュージーランド(GDP : 1819.9億ドル[世界第53位])

主要産業 : 酪農、牧畜、機械、
輸出 : 酪農製品(23.1%)、食肉(12.2%)、木材(8.5%)
輸入 : 自動車(14.9%)、機械類(13.3%)、鉱物燃料(8.5%)

1次産品輸出に依存する経済であり、貿易依存度が高いです。

輸出の6~7割が一次産品で締められています。

工業は、牧畜で得た畜産物の加工を行う軽工業が主力です。

バター、羊肉、羊毛などで世界上位のシェアを誇っています。

貿易依存国だけあり、自由貿易に積極的です。




やはり、加盟国の文化圏が広いだけに比較優位性もバラバラであり、貿易構造は相補的であるように思えました。

日本、中国、韓国の工業国とオーストアリア、ニュージーランドの資源国、またインドという組み合わせも相性が良いと思います。

目立った産油国がなくエネルギーが輸入依存に陥りやすい点は問題ですが、これもロシアを加えれば解消できるでしょう。


ASEAN10カ国を見る前から、すでに経済ブロックさえ組めそうな錚々たるメンバーですね。

次回は、残りの加盟国であるASEAN10カ国を見ていきます。