Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

今、インド投資が熱い?その理由をまとめてみた。

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インドが中国の次の市場として注目を集めている

中国は低成長局面に突入した

米国は、トランプ大統領の出現で先行き不安が拭えません。

中国バブルも過ぎ去り、経済成長率はなだらかな下降を示しつつあります。

こうした中、新たな成長市場として熱い注目を集めているのが、インドです。


インドの魅力

インドが今世紀中に、中国に続く大成長国へと飛躍することは間違いありません。

なぜなら、2000年頃に登場した有望投資国"BRICS"の一員に名を連ねているからです。

労働コストを嫌って本国を離れた多国籍企業は、途上国の労働力を雇用してきました。

これが冷戦終結後の飛躍的な中国の経済成長の背景です。

当時の中国も"BRICS"の一員であり、多国籍企業が渇望する2つの条件を揃えていました。

勤労意欲の高い膨大な人口(消費市場の将来性)
低い労働コスト(労働コスト削減)

しかし、近年の中国のインフレが給与水準に波及したことから、次第に多国籍企業の期待に応えれなくなりつつあります。

一方、インドは”BRICS”の一員であり、中国と同じ13億人の人口を持つ国です。

労働コストも低いまま放置され、つまり、成長前の中国と同じ条件を備えているわけです。


インド投資を妨げてきたマイナス要因

しかし、中国が投資国に選ばれた1980年代、インドもまた膨大な人口を抱える貧困国でした。

同じポテンシャルを持ちながら中国が優遇されたのは、インドが抱える様々な悪要因に由来しています。

格差問題
衛生問題
官僚主義による腐敗
インフラの未整備

こうした要因は、先進国の大企業や人材が生産を行う上での弊害になるため、インド投資は忌避され、中国へ世界じゅうの投資が殺到したのです。

途上国の発展には外資が必須

強い自国資本を持たない後進国の発展には、外資企業のエネルギーが必須です。

これは、いき遅れた社会主義国から、短期間のうちに急成長を遂げた中国の例を見ても明らかでしょう。


途上国の停滞の原因は、利益率の高い事業を自発的に創出できないことにあります。

利益率の高い事業と生産拠点さえあれば、社会の末端まで仕事が行き届き、国内市場を成熟化させることが可能になるのです。

この最初の条件は、必ずしも自国資本に制限する必要はありません。

外資系企業から生産拠点として選ばれることができれば、同じ成果を得ることができます。

雇用が末端まで行き届けば、あとはローンによる信用創造を活用することで、マーケットのパイを飛躍的に拡大できます。

さらに、外資の技術を吸収することで、自国資本の成長をも見込めるようになります。


モディノミクスの実施が決定済み

これまでのインドは、とても外資系企業が進出したくなる環境ではありませんでした。

格差を正当化する伝統
動物の糞尿が散乱する道路
大都市でも頻発する停電
脆弱なネット回線
行政の汚職

こうした問題が、外資参入の妨げになっていたのです。

そんな中、2014年にナレンドラ・モディ首相が登場します。

「経済改革」の公約を掲げる彼は、様々な規制緩和と成長プランを世界に向けて提唱。

インドの経済成長に向けた彼の一連の経済改革は「モディノミクス」と呼ばれ、世界中の投資家の視線をインドに集めることになります。

一例をあげるなら、モディノミクスの柱の1つ「クリーン・インディア」は、インドの劣悪な衛生環境を改善することに貢献するでしょう。

これまでのインドは、浄と不浄を分けるヒンドゥー思想から、「汚れた」トイレを自宅に置いていない家庭がほとんどでした。

しかし、欧米企業の協力(※1)もあり、インド全域に、誰でも使用できる最先端の公共トイレが設置されていく予定です。

また、この動きに合わせて、他人の「野グソ」を発見した場合は、写真を撮って報告すれば、褒賞品がもらえるといった村まで現れているようです。

ここで撮影された写真は、村長によってコピーされ、村の掲示板に掲示されます。

つまり、「野グソ中」の写真を掲示板に貼られるという恥をかかないために、野外での排泄行為を抑制する仕組みです。

こうした取り組みがインド全土で実施されるので、「汚い」インドの汚染状況を改善するのに必ず役立ってくれるはずです。

これはモディノミクスの一例に過ぎません。


モディノミクスの詳しい説明については、本項とは別のトピックなので省略します。

しかし、インドと欧米世界が、全力でインドの経済成長を後押しする動きがあることだけは間違いありません。


(※1) アメリカの主要IT企業の重鎮はインド人が多い。

インドのポテンシャル

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1 インドのこれまで

インドが「投資に適さない国」となった経緯を説明します。

カースト制度
国内の分裂
イギリスによる植民統治
冷戦時代

カースト制度

インド人を隔てるカースト制度は、中央アジアから侵略者アーリア人が、自身の支配を正当化するために作った身分制度です。

インドの南北で人種系統は、白色系と黒色系に分かれがちです。

2人種の混血が進まなかった(ただし、インド人の約52%がイラン系のハプロタイプR型を持つ)理由も、このカースト制度に原因があるといえます。

インドに進出したアーリア人は、原住民との混血を嫌い、人種に基づく身分制度を創りました。

つまり白い肌の純系アーリア人を、神の代理人である最高位(バラモン階級)に祭り上げ、黒い肌の原住民を悪魔とみなし最下層に追いやったのがカースト制度の起源です。

白人支配層が原住民を最下層に貶めて搾取した例は、南アのアパルトヘイト(人種隔離政策)、オランダのインドネシア統治など枚挙に上がりません。

インドのカースト制もこれと同じ種類の差別だといえます。

インド人の80%を占めるヒンドゥー教も、バラモン教というアーリア人至上主義の宗教から発展した宗教です。


国内の分裂

ヴィシュヌ神とシヴァ神(ヒンドゥー教の最高神)が「創造と破壊」を象徴するように、インドもまた統一と分裂を繰り返してきた歴史を持ちます。

この分裂状態が、外敵の侵入に抵抗する能力を失わせ、インドの荒廃を助長しました。

例えば、統一の時代の終わりを告げたヴァルダナ朝の崩壊の後、7〜13世紀のインドはラージプート時代と呼ばれる分裂期に陥ります。

同時代、西方からイスラム勢力の拡大が及ぶも、分裂状態にあったインドは、一致団結して抵抗することができません。

北インドのイスラーム化が進み(デリー=スルタン朝)、後にはイスラム系王朝によるインド統一が実行されます。

さらに、英仏の植民主義が押し寄せた時も、インドの分裂体質は利用され、分割統治を許すことになりました。

この分割統治の影響は、インド、パキスタン、バングラデシュという、元来「1つのインド」だった3つの国にその名残を確認できます。


イギリスによる植民統治

インドの荒廃を決定づけたのは、イギリスによる植民地統治だといえます。

インドへ進出した2大勢力(イギリスとフランス)の間で、インドの支配権を巡って3度の衝突(カーナティック戦争)が起こりますが、結局イギリスが勝利を手にします。

折しもこの時、イギリス本国で進行していた産業革命がインドの命運を決定づけます。

インドを原料供給地と位置付けたイギリス資本主義は、インド全土の植民地化を断行。

現地の内政を掌握し、重税で収奪した税収で奴隷労働の成果物を買い占め、本国へ持ち去るという略奪を実行に移します。

さらに本国で大量生産した安い工業製品を持ち込み、土着の綿産業を崩壊に追いやったため、現地でイギリスへの不満がわだかまります。

こうした反乱の火種を消すために、イギリスは現地勢力や異教徒同士の不和を煽り、巧妙に敵意の矛先をインド人同胞に向けさせました。


1857年には、ついにイギリス統治への不満がインド大反乱として爆発するも、結局は鎮圧され、以降はイギリス領インド帝国に組み入れられます。

そして第二次世界大戦後にはイギリスから独立を迎えますが、ヒンドゥー教徒のインドとイスラム教徒のパキスタンとして分離独立を強要され、相互憎悪を抱き戦火を交えるなど、分割統治の根は詰みきれていません。

冷戦時代

イギリス東インド会社を相手に戦ったインド大反乱は、北インド全域を巻き込む大事件でした。
つまり、インド人は、イギリス東インド会社(植民地主義=資本主義)への抵抗を通してアイデンティティを確立しました。

第二次世界大戦が終わり、世界が冷戦時代に突入すると、インドはアメリカ陣営の資本主義と距離を置きます。

かといって、ソ連側にもつくこともなく、非同盟外交により国内産業の保護を貫きます。


冷戦期のインドが目指したのは、自主独立路線。

内需の保護と育成を目指した点で、日本の鎖国時代のような時期だったといえます。


とはいえ、市場を閉ざすと内需は成長しますが、外国の知識や競争からも排除されるため、技術革新からは遠ざかることは、日本史が例証する通りです。

いざ冷戦が終わってみると、インドは官僚主義の横行する、遅れた後進国になっていました。



インドが抱える問題点


1 格差問題

インド人の差別意識は、彼らの宗教観(ヒンドゥー教)と結びつくため、一概には消し去れません。

カーストは、前1500年ごろに作られたヴァルナに起源を持ち、今日まで絶えることなく実践されてきました。

カースト差別は憲法でこそ禁止されていますが、今日でもインド人の文化規範に強く刻み込まれています。

ヴァルナはバラモン(司祭)、クシャトリア(武人)、ヴァイシャ(商工業者)、シュードラ(賎民)の4階級から構成され、階級ごとに独自の生活規範を持ちます。

この階級区分の上位に属するほど、人間の「浄」の度合いが高いと見なされますが、ヴァルナの階層区分の外にある「ダリッド(不可触民)」と呼ばれる階層が存在します。

これがインドの最下層民です。

ヴァルナに属さない「汚れた」存在のため、生まれながらの蔑視、虐待、迫害の対象となります。

就くことのできる職業も、「不浄」な血、死、排泄などに関わるものに限定され、苛烈な低賃金を余儀なくされます。

今日でも、バラモン階級出身者による不可触民出身者への差別、暴行などの事件が記事に上がることがありますが、これは「ヴァルナ」の意識が今日に継承される証左といえるでしょう。



こうした「下層階級の当然視」は、国民の底上げを阻害するので、経済成長を目指す上での弊害といえます。

こうした状況下で、経済的な平等政策によって差別の実態を解消しようとする動きが取られてきました。

カースト差別は、1950年制定の憲法で禁止。公職にも不可触民出身者の採用枠が設けられました。

さらに1997年には、不可触民出身のナラヤナン氏が大統領に就任。

2017年には、不可触民出身のラム・ナス・コビンド氏が、歴代2人目の不可触民出身のインド大統領に就任しています。


この動きをブーストしたのがIT産業の登場です。

インドはIT大国として、毎年数万人規模のIT技術者をアメリカへ派遣する人材輩出国です。

米国を代表するGoogleもWindowsも、経営陣を見ればそのCEOはインド人です。

これほどのIT人気は、IT産業が出自を問わない実力重視の業種であることと切り離せません。


とはいえ、現在でもゴミ拾いや糞尿処理など、最下層の仕事に従事しているのは、不可触民出身の人々がほとんどのようです。

ぬぐいきれない差別は存在するものの、モディノミクスに含まれるIT政策は、こうした出自の人々に更なるチャンスを与えることになるでしょう。


2 インフラ整備の遅れ

インフラが弱い国に、資本は集まりません。

インドの道路は、ひび割れ、崩れ、戦闘でもあったのかと思うくらい損傷していることが多いです。

そもそも道が舗装すらされていない土がちな道路では、降雨の後、ぬかるみが生じ、歩くことすら満足に行えなくなります。

おまけに浄水機能の整備も不十分なところが多く、水が溜まった箇所での殺菌の繁殖、悪臭などの原因になります。

また、都市を歩き回る牛は神聖視の対象なので、牛糞も処理されません。

舗装されていない土がちな道では、牛糞が土に混ざり、衛生問題に拍車をかけます。

雨水や糞尿を吸収して、ぬかるんだ臭い道を歩きたがる外国人はいないので、外資進出の妨げになります。


送電網の弱さも問題です。

インドは、電力不足を抱えており、都市の停電は日常茶飯事です。

筆者は、バンガロールにある「ブリゲードロード」という大型のショッピングストリートで停電に遭遇したことがあります。

夕方だったので既に辺りは薄暗く、停電が生じたことでストリート内は暗黒に包まれました。

このストリートに並ぶお店は、外国の製品が並ぶ、中流層向けのお店ばかりです。

そのような場所ですら停電が起きたのでは、強盗の良いカモになるだけです。

とてもリスクを嫌う外資系企業の投資対象には選ばれません。

また停電は、ネット回線も止めてしまいます。

現在は、世界各国がお金持ちの投資家を呼び込むべく、しのぎを削っていますが、突然の停電、ネット回線の断絶が頻発するような国で、仕事をしたがる投資家はまずいません。

インドの経済成長を起こすのであれば、インフラ整備は絶対の前提です。

これもモディノミクスで大幅に前進する見込みです。

3 衛生問題の放置

インド人の衛生意識を改善しない限りは、インフラ整備を行ったところで、また汚染されるのがオチです。

インド人の衛生観念は、明らかに欠如しています。

インドでは、市民のゴミのポイ捨て、立ち小便は、日常の光景です。


こうした行いは先進国では市民から睨まれるのですが、ヒンドゥー教の規範ではOKなのか、誰も疑問を差し挟みません。

ゴミのポイ捨ては日常で、自然に還らない工業製品のパッケージ、缶などが次々と投げ捨てられるので、街はゴミで埋め尽くされていきます。

市民の日常食であるフルーツの皮や食品の食べ残しなどが、腐敗して悪臭を発するケースもよく目に付きます。

さらに人間の排泄物は、ヒンドゥー教的に「不浄」の対象です。

したがって家の中ではなく、茂みに隠れてやらなければいけないのです。

つまり、ヒンドゥー教の生活規範は、近代的な衛生観念と折り合いません。


また、近年の経済発展にあわせて、自動車やバイクを利用する人が増えてきました。

しかし、インド人が乗り回す自動車やバイクは、大半が先進国産の中古品です。

安さをいいことに排ガス規制をクリアしていないものも多いですが、市民は平気で使います。

この傾向に13億人という人口規模の巨大さが拍車をかけ、インドの大気汚染を深刻なものにしています。

例えば、ある調査の報告によると、ニューデリーでの1日間の滞在は、喫煙10本分に相当するそうです。

筆者が利用した南インドのバスターミナルも、真っ黒な排気ガスが充満して、10分といられないような状況でした。

そんな健康被害の心配のある都市に、外国人を定着させることは難しいといえます。


インドが持つ長所

インドが抱える問題は膨大ですが、秘めたポテンシャルも並々ではありません。

インドが持つ特異点について説明したいと思います。

製造業ボーナスなしでの経済発展

インドはイギリス資本主義の支配を受けた国だったので、その反省から冷戦時代は保護主義で通しました。

しかし、冷戦後に資本主義の時代が訪れると、インドも世界経済に組み込まれます。

ところが、長年の保護政策をとってきたインドのシステムは、保守的な法律や慣行、インフラ整備の遅れなど、とても世界と競争できるような状態にはありません。

また植民地時代に根付いた産業構造のせいで、世界で戦える大企業の育成にも失敗しました。

だとすれば、残された手は、中国がしたように市場開放しかありません。

ところが、インドの保護主義の伝統は外資誘致と相性が悪く、劣悪な衛生環境が、さらに外資誘致を遠ざけます。

窮地に立たされたインドは、手持ちの駒で戦うことを決意します。

インドに残された駒とは、「0の概念」を生み出した数学的才能と、イギリス統治下で獲得した英語能力でした。

冷戦が終結した1990年代以降は、ちょうどITが世界的に普及していく時期にあたります。

ITを世界に普及させるには、ITインフラを支える優秀なエンジニアが大量に必要です。

このトレンドの中で、インド人は、持ち前の能力をいかんなく発揮して成功を収めます。

インドといえば、「IT大国」の呼称が定着していますが、それはインド国内のITインフラの成熟ではなく、優秀なインド人エンジニアを大量に世界市場に供給することで勝ち取った称号といえるでしょう。

もともと数学的素養が高く、英語も理解できるインド人は、ITへの適性が高かったのです。

インド政府がIT重視の方針を打ち出すと、優秀なITエンジニアが大量に育成されました。

さらに幸か不幸か、イギリスの植民統治を受けた経験から、国民には英語の読み書きの技能が備わっていました。

英語能力は、世界企業から仕事を受注する上での大きな原動力になります。


IT人材に牽引された成長

IT領域に限っては、インドへの多国籍企業の進出は、すでに実施済みです。

世界企業は、安くて優秀なインド人材を囲い込むための施策を実施してきました。

世界企業はネットワーク越しに、インドのIT企業へ業務プロセスを発注。

いわゆる、BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)と呼ばれる案件が殺到します。

2012年のIT分野におけるインドのBPO(IT系開発プロセスの受注)は総額10兆円規模。

これは市場全体の58%を占める額です。

さらに近年では、有能なIT人材を囲い込むべく、世界中の企業がインド国内に開発拠点を設置しています。


また、インド国内での受注だけでなく、出稼ぎのためにインドを離れていくインド人の姿も現れます。

2000年から2008年までの間、アメリカでインド人技術者に発給されたビザの数は、年間10万人を突破しました。

そればかりか、アメリカに進出したインド人エンジニアが、名門IT企業の中軸を占めるようになっているのです。

この動きは、特に以下のような人たちに象徴的です。

多国籍IT企業の幹部に名を連ねるインド人サンダー・ピチャイ - Googleの現最高経営責任者(CEO)
ニケシュ・アローラ - 元グーグルの上級副社長、元ソフトバンク代表取締役副社長
アミット・シングハル - 元Google上級副社長、元Uber幹部
ヴィック ガンドトラ - 元Google最高責任者

世界第2位の時価総額を持つグーグル(現アルファベット)の中枢に、多くのインド人材が就いているのです。

上級幹部だけでもインド人材が目立つのですから、末端まで含めるとインド人雇用者の数はさらに増えるでしょう。

現にマイクロソフトでは、全社員の36%がインド系人材だとされています。

こうした高い評価を受けるインド人材の給与も高くなっており、オラクルは、インドの最高学府であるインド工科大学の学生に対して、初任給で年収1300万ルピー(約2200万円)のオファーを提示しました。

アメリカで成功を収めたインド人の海外送金が、大きな収入源となることは疑うまでもありません。

このように、インドの発展は、一定の教育を受けることのできた人材の能力に牽引されたものでした。

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製造業ボーナスを使わずにこの曲線を描いてしまう

つまり、非熟練人材の登用による労働集約型の「外資系製造業の誘致」による経済発展は十分に発揮されていないのです。

これまでのインドは重い道着を着て戦っていたに等しいのです。

これが外され、雇用のチャンスが社会の全階層に開かれた時、インドの発展は真価を発揮することになります。


モディ首相の掲げるモディノミクス

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カースト差別に基盤を持つ貧困問題の克服

インドの経済成長を妨げているのは、最下層階級の貧困です。

インドからカースト制度は姿を消しても、人々の意識から差別思想が消え去ることはありません。

つまり、人間には位があり、一定数は最下層階級に座るべきだという意識です。

汚穢にまみれたまま放置されている都市は、おおかた貧困層の住むエリアです。


実際、これまでのインドの経済成長は、BPOやアメリカ進出など、基本的なIT環境と教育を持てる、中流以上のインド人に牽引されたものでした。

インドの経済発展を開くには、最下層民にもチャンスを与えなければなりません。

これにフォーカスされた施策がモディ首相のモディノミクスと見てよいでしょう。

この政策では、外資系製造業の誘致と、膨大な公共事業の創出により、需要を想起します。

製造業も建設もITのように特殊技能を要さない、「誰にでもできる」仕事です。

つまり、発展の枠外に置かれ、取り残されてきた最下層民に、雇用の道が開かれます。


モディノミクスには大幅な外資規制の緩和を含むため、インドの安い労働者を求めて、世界企業がインドに殺到するでしょう。

こうした世界企業がインド人に、差別なく働き口を提供していくのです。

最下層民が豊かになれば、それに応じて都市の衛生、インフラも改善し、国家全体の経済水準を向上させることが可能になります。


モディ首相のモディノミクスの先行きを全世界が固唾を飲んで見守っています。

このトレンドとチャンスに、日本人も敏感になるべきでしょう。