Ossan's Oblige ~オッサンズ・オブリージュ~

文化とは次世代に向けた記録であり、愛の集積物である。

埋蔵量と需要の種類から見た金、銀、プラチナ

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現在、私が注目しているのが現物投資です。

代表的な現物資産といえば、金、プラチナ、銀など。

その特徴は、株式や債権と違って、資源そのものに価値があるため、絶対に価値がなくならないことです。


昨今の投資市場は、各国の量的金融緩和の成果もあり、株高が顕著です。

しかし有史以来、弾けなかったバブルは存在しません。

それは、これからも同じです。

したがって、現在の株熱も、必ずいつか冷めます。

投資家の陶酔感は株価暴落とともに消え去ります。
そのときに慌てて、動き始める投資家になってはいけません。

大暴落が起こる前に、先んじて資産逃避を完了させておけば、資産が保全されるどころか、先行投資者としての恩恵に預かることができるでしょう。

そうであれば、バブル崩壊時に株式市場から流出する資金の受け皿になるであろう、金・銀・プラチナを見逃すことはできません。

こうした資産の中で、資産逃避の目的に最もふさわしい現物資産は何なのでしょうか?

今回は、資源の存在量と需要という側面から考えてみました。

(原油や穀物といった現物資産は、テクノロジーや政治に左右されるため安全資産と呼ぶにはふさわしくありません。よって、除外します。)




金・銀・プラチナの近代史

絶対価値を代表する資源といえば、今日の我々は金をイメージします。

しかし、かつては銀がその地位にありました。

西洋と異文明との間で貿易が実施された大航海時代の決済代金も銀です。

欧米市場から熱狂を受けた中国、インドには、新大陸で発掘された膨大な量の銀が殺到します。

そんな中、銀が金に取って代わられる引き金を引いたのは増産です。

精製技術の発達と大銀山の発見を背景に、銀の流通量は飽和状態に達し、希少性を失いはじめたのです。

そして、希少性を失った銀に代わって、金が「普遍的価値」の称号を獲得するに至ったのです。

その形跡は、「金本位制」というような19世紀的な国家制度にも確認できます。

一方プラチナは、18世紀中頃まで存在そのものが認識されておらず、廃棄までされる始末でした。

しかし、1748年にスペインの天文学者・アントニオ・デ・ウジョーアの報告を契機に認知が広まっていきます。

工業資源などに優れた特性を示す一方で、貿易決済代金として用いるには圧倒的に量が足らず、普遍資産として用いられることはありません。


金・銀・プラチナの資源埋蔵量

以下は、筆者が作成したグラフ「地球上に存在する資源の絶対量」です。(金・銀・プラチナ)

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(数値はネットの数値から計算した推定値です。)


次に、採掘量と埋蔵量の比率です。

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採掘済みの量は、
金18万3600トン、
銀100万トン以上、
プラチナ4200トン

プラチナの希少性が一方的に際立っています。


資源需要の側面から

各種資料(※)によると、各資源の需要は以下の通りです。

✔︎ 金需要
→工業需要21%、宝飾品需要52%、投資需要27%
✔︎ 銀需要
→工業需要75%、宝飾品需要20%、投資需要5%
✔︎ プラチナ需要
→工業需要61%、宝飾品需要32%、投資需要7%

・金・プラチナ需要
→「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」2017年3月4日参考
・銀需要
→THE WALL STREET JOURNAL 2011年1月18日参考

銀とプラチナが工業需要に60%以上の需要を占めるのに対し(銀75%、プラチナ61%)、金の工業需要は21%と対象的です。

それぞれの需要を見ていきます。

金は、金属の中で3番目に高い電気伝導率を持ちます。
これは、銀、銅に続く順位です。
さらに、高い圧延性を利用して一定の工業需要が見込まれています。
しかし、需要の8割近くが宝飾需要と投資需要によって占められており、工業需要は2割未満です。

この性格は、経済不況時に強みを発揮します。

経済不況時の工業製品の減産によって、工業需要メインの貴金属が打撃を受ける一方で、金へのダメージは微小で済むからです。

むしろ、「普遍価値」を代表するブランドは、逃避資産の受け皿となり、価格に上昇圧力を加えることになるでしょう。

金は、経済不況に強いアセットクラスといえます。
(米中貿易戦争の真っ只中の2019年10月25日、1g=5,795円に到達。銀1g=71.17円、プラチナ1g=3,643円。2014年の最高価格との比較で伸びを示したのは、金・銀・プラチナの中で金だけ。)

銀は、あらゆる金属の中で電気伝導率が最も高く、その性質から電子機器のケーブルから回路基板まで幅広い用途に使われています。
その性質を反映して、工業需要は、3つの金属の中で最も高い75%。
エネルギー効率に優れる酸化銀電池や銀亜鉛電池に使われることから、電池需要も高いです。
このように産業資源と位置付けられる銀は、3つの貴金属の中でも、不況時の工業生産の落ち込みに連動して下落する可能性が最も高い資源だといえます。

プラチナ

プラチナは、自動車の排気ガス浄化装置や制癌剤などの分野で活躍する資源です。

その工業需要は61%。
銀の75%と比べると見劣りしますが、需要の過半数以上を工業需要が占めています。
したがってプラチナも、経済不況時の落ち込みに連動性を持つ資源といえるでしょう。

さらに今後は、これまで需要の40%を占めていた「ガソリン車の触媒」需要が段階的に抜け落ちていく見込みです。

なぜなら、自動車がガソリン車から排ガスを出さない電気自動車に切り替わっていく中で、必要性が失われるからです。

とはいえ、優れた工業資源としての価値を持つプラチナの需要が落ち込んだところで、すぐに新たな需要が創出されるでしょう。
何より、資源量の圧倒的な少なさが資源価値を裏付けています。

経済不況時の連動下げに見舞われても、回復までの時間はごく短いものとなるでしょう。

まとめ

金融緩和が功を奏して株式市場は活況に沸いていますが、史例に弾けなかったバブルは存在しません。

今の好況が冷え込み、株売りの潮流が誰の目にも明らかになったとき、現物資産が持つ普遍価値は、逃避資産の格好の受け皿となります。

金、銀、プラチナの中で、金は、工業需要が最も低い21%です。
この数値は、工業需要(景気)に左右されにくい=不況に対する強い耐性を示しています。

金と対照的に、75%の工業需要を持つ銀、61%のプラチナと比べると、不況への備えとしては、金一択という見方が根強いと言わざるを得ません。

おまけに、金は伝統的な普遍資産と認知され、27%の投資需要は、銀の5%、プラチナの7%を引き離します。

これは流入資金のボリュームの大きさを示しており、他2金属に比べた上昇率の高さを示唆しています。

不況への備えは、金を選んでおけば間違いないでしょう。